家の門まで着いた時、孫権は自分の家のお兄ちゃんが竹椅子の上で寝そべって足を組み、天気は暑くもないのに手には棕櫚の葉を編んだ扇をバタバタとあおいでいた。
周瑜は孫策を見るなり孫権の手をはなした。孫権をしても見て理解できないような、責めるような嬉しいような目で孫策を見つめていた。
孫策が周瑜に気づいた時、全身で驚き、頭高くのびあがった。
「家のことで忙しいんじゃなかったのか?」
周瑜は顔をさっと青ざめさせて踵を返そうとしたが、孫策は椅子から跳ね起きて門まで飛んできた。
周瑜の腕をつかむなり、
「冗談だろ。いつそんなにケチくさくなったのかよ」
と言った。
二人とも破顔して笑い合い手をつないで出かけた。
その時にはすでに完全に孫権のことは忘れ去られていた。
孫権は彼らの後ろで立ちつくして白眼視しながら深く深く自分がしてはならないことをしてしまったと思った。
お兄ちゃんと周家のお兄ちゃんは仲直りすることになってしまった!