臨時 一日一策瑜 『後漢書』で知る周瑜のルーツと哀しみ。
早稲田文庫から名士先生の訳の『後漢書』四が出ております。昨今紙も値上がりして本もかなり贅沢品となっております。でも、図書館にもあまりない岩波版よりはずっとお求めやすい価格で良心的かつ、みなに読んでもらおうと意欲的な出版だと思います。ありがたい!
列伝 四には周栄さんが列伝されております。周瑜の先祖です。根性というか生き様がロック!死んでも墓は要らねぇ、骸は晒して敵のあくどさを知らしめよ、みたいな。あと袁安の懐刀というかスピーチライターです。あの袁紹、袁術の先祖です。袁家とのつながりもここからが始まりです。周栄さんは袁安に引き立てられた故吏なんですよ。周家は袁家には頭が上がらないという認識なのは、これがみなに知られているから。だからこそ、周瑜が袁術のもとから脱走してきて、孫策のもとへ駆けつける、その下につくというのが重みを持つわけです。みな「あの周家が袁家を棄てる!?うっそだろ!?」と思うのです。
周栄さん以下きらびやかな栄達する周家のみなさまの話が続きます。
とくに周興さんは天才ですね。光祿郎から尚書郎に引き抜かれるんですが、文章が上手かったらしく詔勅を書いてたらしいです。三公のライターから皇帝のライターに出世する周家一族。
そして、さらには「令和」の元ネタの漢詩の作者でなんでもできる東洋のダヴィンチこと張衡さんと暦をつくっております。その辺は『後漢書』志「一」の巻の律暦志中 第二 延光論暦のあたりに詳しいです。
この周興さんと周瑜の先祖の周興さんは同一人物であると、日本ではあまり知られていないのではないでしょうか?中国のファンは知ってるみたい。
広めたいですね。周瑜の先祖にめちゃめちゃ頭のいい人がいたと。(政争には負けてせっかくの暦は採用されなかったのですが……)わたしの同人誌(booth 電子書籍でまだ頒布中)の『流離 弐』にも暦の話を少し書いております。よかったら読んでね。
あとは周景さんという人がやり手です。潁川郡太守になったとき、無理やり地元の有名な名士達を片っ端から接待攻勢して、採用したり、孝廉に挙げたりしてます。まぁ、形ばかりですぐ辞めて帰ってくるパターンなのですが、それでもこの時代の清談して実務に就かない名士を動かす剛腕は、後の周瑜の態度(魯粛とか龐統とかね)につながっていそうです。それから、橋玄さんもスカウトしていてですね……周景さんが跋扈将軍梁冀に仕方なくヘコヘコしていたときに、梁冀の手下が悪いことをして橋玄に捕まるのです。梁冀は「なんとかしろ」と周景さんにいうわけです。で、周景さんも「手心を……」と言う……前にすばやく橋玄さんは梁冀の手下を刑に処してしまっていました。法家だからね橋玄さん。ちょっとかっこわるい場面は橋玄伝に載っております。梁冀が誅殺されても巻き込まれて死ぬこともなかったあたり、身の処し方が上手かったのだと思います。
それから、周瑜の哀しみの部分ですが、従兄弟のお兄さんの周暉(洛陽令経験者、美形ほぼ確定です!)が董卓に不条理に殺されています。詳しくはしちみ楼先生の『美周郎がはなれない』もしくは柳宮燐先生の『策馬天下』をおすすめします。まだ日本の周瑜ファンには知られていない部分だと思います。董卓が周瑜の仇敵だということは。周瑜が袁家を見捨てて孫家についた一因は孫堅が董卓に一発かまして、洛陽復興をちょっとしたことだとおもうんですよ。もちろん孫策との友情や彼への期待もあったと思います。
周暉の父、周忠(三公もつとめてます)は周暉死後も献帝に従い、献帝の地獄の東帰行について行ってます。途中殿を務めて捕まるのですが、賈詡に助けられています。(賈詡はなにげに朝廷の大官を助けたり、少帝の唐妃を助けたりして徳を積んでいます。だから生き残れたのでしょうか?)
周瑜ファンは、ちくま三国志のあとは早稲田文庫の後漢書もチェックしてみるとおもしろいですよ。
電子書籍で策瑜アンソロジーを出しました!
電子書籍 正史準拠策瑜アンソロジー『青梅竹馬』小説本

参加者 掲載順
守銭奴様(イメージイラスト担当)
副田様
柚木ながる様
楪らく様
ぶきこ様
こばなし様
かもめっち様
なぎ様
間々田祥子様
香奈子様
メリル@無是(主催)
boothにて9月20日より700円で頒布します。
今までありそうでなかった正史準拠!自分で主催(好き勝手)するなら正史ベースだろうとみなさまに無茶ぶりしました。しかも現代パロディ禁止縛り。(かぜ江ベースだったらあの方を…、現代パロディありなら○○さんにお願い…みたいな想いも実はありました)管理能力上、この数のメンバーが初心者主催(知力5)には限界かな。
ですが、今回は正史準拠で書ける精鋭を集めました!!メンバーみなさんこってり魅力的な策瑜を書いてくださいました。負担にならないように二千字程度とお願いしましたが、みなさまあふれる想いをこめてくださり、結構長くなっております。主催は入院前にお出かけ自粛期間があり、やたらと長くなりましたごめんなさい。(それも主催のワガママと裁量ということで)胸を張って御期待下さいといえます。一部R18の内容を含みます。
作成にあたっては、なぎさん(誤字チェック)、ぶきこさん(一部表紙デザイン、諸々調整)してくださり、感謝に堪えません。この二人がいなかったら出せなかった🙏
策瑜ファンのみなさまよろしくお願いします☺
booth
あんまり関係ない自分語り。
4月に小さめの腫瘍で手術しました。経過はまぁまぁ良好で、腫瘍も陰性でした。でも、ちょっと珍しい(ググっても論文しか出てこない)のと場所が他の臓器と癒着したので痛いことは痛かったです。今では皮膚の傷もアトファインテープを根気よく貼り続けたので痕も薄くなりました。
2月にアンソロの話が出たときには、手術を前にして待たされている状態で、腫瘍の大きさから、たとえ癌だとしてもすぐ死ぬようなものではないけれど、辛い治療とかに取り組む気力があるんだろうか自分は。と悩んでおりました。まだ呉のことをみんなと語りたいし書きたいし、知りたい。
ノイローゼ状態のときだったり、だるかったりすると多少希死念慮もありますが、いざ死を間近に感じると生き汚くなるなと思いました。
手術前後に休みを取るから、アンソロでも作るか!と一念発起して、何人かもともと希望していた方、手を挙げてくれた方、スカウトで応じてくれた方を集めてこうなりました。薄謝にてご協力ありがとうございます。
おかげさまでよくなりました。たぶんみなさまの策瑜のおかげです。原稿が届くたびニヤニヤしてました。巷でよく聞くトラブルもほぼなく、みなさん協力的に応じて下さったので、初心者🔰主催でもここまでこぎ着けることができました。ありがとうございます。
みなさまへ感想がありましたら、直接は恥ずかしい……という方はわたしのDMでもpixivのレターにでも送ってください。転送致します。
呉の成分が30%くらいだけどおいしい作品集めました。そのほか漢語作品とか。
疲弊さんが呉のおすすめ書籍を集めて紹介してくださいました。
メインじゃないけど、これは呉の民として部分的においしい作品を集めてみることにします。
策瑜ファン救済措置がありがたすぎる。他の作品で涙を流したら、これを読むといい。救われる。
蒼天航路 漫画
言わずと知れた曹操主人公の名作。
孫堅、孫策、孫権の三代とその臣下達(工業高校みたい。一昔前のイメージ?)周瑜がだんだんかっこよくなる。呂蒙の愛らしさ。甘寧の怖さ。陸遜の冷静。孫皎のヤンキー孫家の血。わたしは呂蒙の成長ぶりと周りに慕われてる感じが好きです。孫夫人も魅力的でしたね。
吉川三国志 小説
定番中の定番。赤壁あたりはつらいんですが(蜀びいきだからさ)、孫策と周瑜の友情、太史慈との出逢いなんかはよいね。昔橋本功氏のラジオ朗読があって味わいがありました。
秘本三国志 小説
全体的にはそんなに呉は活躍してないんだけれど、独自の解釈があって、呉もおもしろい。仏教観とかね。
なにより、ちび周瑜が孫策といっしょに孫堅軍に従軍してあれこれ献策しているのがおもしろいよ。堅パパもその若き才能には警戒しつつもちゃんと採用しているのが器がでかい。
秘本三国志は後々の作家陣に影響を与えているので、読んだほうがおもしろいとおもいます。
北方三国志 小説
漢の世界。ここの周瑜も孫堅軍に従軍しているんだな。尊敬している。北方先生は孫権はあまり魅力的に感じなかったみたい。でも、韓当、張昭らの老臣の暗躍、呂蒙から引き継いだ戦陣の重責に血尿が出る陸遜(かわいそ)。それをささえる凌統。(あれ?享年あってる?)細けぇこたぁいいんだよ漢の世界に酔いしれよ。孫策の孤独癖をちゃんと描いた作品は日本ではこれが初かな…?文体が合うなら読むべし。
江森三国志 天の華地の風 小説
ジュネだぜ。一、二巻はしかも周瑜×諸葛亮ときた。策瑜者には敷居が高い。
だが、江森先生の権力闘争描写は呉にも余すことなく描かれていて、九巻あたりの姜維が張昭を訪ねて、驚かれ代わりに息子の張承が内情を説明したりすることがあるんですけど、おもしろいですね。
歩夫人が危篤で、孫登の地位が危ういという先生独自の見方もさすがです。
呉のところを読むと自然と、仁義なき戦いのテーマが流れるんですよ頭の中で。
呉はイカれてます。893。みんな周瑜が好き。女は潜在的に周瑜の妻。酒見先生は劉備が描きたかったようで、後半失速が否めないのですが、呉はおかしいので読んで確かめてください。
如果历史是一群喵 動画 漫画解説本(漢語、最近韓国語も出ました)
4、5巻です。三国志部分は。策瑜は直接絡みがなくて哀しい。役者猫がそれぞれ歴史人物を演じているのですが、項羽を演じていた揚げパン猫が孫策を、虞美人(たぶん)の豆花猫ちゃんが周瑜を演じているのが憎い演出です。ダイジェストなんですが、なぜか孫権の周瑜に服を山ほど贈っていたネタとか採用していてわらっちゃいます。
火鳳燎原 漫画
香港版、台湾版、韓国版(電子)、日本(九巻まで)
なんとか日本で再契約して出版してくれないだろうか…。エンジンかかるの遅いんですよ、日本の漫画の展開と違って。だから九巻でストップしたのではないかと。もちろん掲載誌の休刊もあります。あと漢語が難しい。主人公は趙雲、司馬懿ですけど、魅力的な人物がたくさんでます。
呉のファン、策瑜ファンは39.67巻だけでも読んでください。泣ける。孫策の偉大な父へのコンプレックス。そこからの解放。それを一部始終見つめているのが周瑜という。
さらに火鳳孫策にハマった方にはノベライズの『孫策』もどうぞ。これはあまり策瑜寄りではなく、幼なじみの凌統の父凌操との想い出や、彼と似ている太史慈との出逢いや、父親への想いが描かれています。
あと割と最近に
堅 小説(漢語)
というのがでてます。その名の通り、孫堅主人公です。めちゃくちゃこだわった書き方をされてます。いかんせん漢語なんで読むのに難航しています。個人的には孫堅のどこに転戦しても強いのかとか、程普韓当、黄蓋との出逢いをよみたいですね。
江東双璧 小説(漢語)漢語のラジオドラマもある。
わりとゲームの影響がつよいのかなという印象です。出したい人物を放り込んでくるタイプ。歴史は二の次。沈黙の行をする僧侶とか時代考証も二の次。三の次。でも、策瑜の情念はすごい。優秀な周瑜に取って代わられるのではないかと疑心暗鬼になる孫策。とても繊細なところもある。しかし、周瑜は友情を越えた愛情で孫策に尽くし続ける。最期まで。これ訳したんですけど、訳しながらボロボロ泣いてました。
孫策と周瑜 1話ドラマ アマプラで観られます。(字幕、吹き替えあり)ユーチューブで漢語のもあるかな。
玉璽を巡る冒険。袁紹に仕える周瑜というのからツッコミたくなります。でも、袁家と周家の付き合いを考えればそんなにおかしいことでもないかな。小喬ちゃんも少し出ます。ちょっとねー役者さんが老けすぎな感はあるんですよね。フレッシュさが足りない。でも策瑜の友情は感じました。評判はあまりよろしくないのですが、スルメのようにかみしめられる方のみおすすめします。
軍師連盟 ドラマ(字幕) アマプラで観られます。
孫呉パートはほんの少しなんですけど、室内に蓮の水槽?があったり孫権の髪に赤味があったりと渋い。演出も陸遜は爽やかだし、張昭は杖ついていて、権ちゃんに手をひかれたりと、観たい孫呉の世界がありました。
あとね、有名人が周瑜だから、強さの単位が周郎なの。死んでるのにね。曹操の死ぬ前も周瑜のことを回想していました。記憶に残る相手だったんだね。勝ち逃げされて。
石亭の戦いはみどころです!こんなに周魴がかっこいいドラマはないでしょう!
光栄ドラマCDシリーズ
第六巻は周瑜の巻なんで、そのまま策瑜ファンはチャプター4まで聴くべし。「あにうえ~!」がかわいい速水ボイス。爽やか井上孫策。あと朱治が冒頭で袁術からの独立をそそのかすのがポイント高いです。太史慈もいいし、魯粛、張昭と脇固めもしっかり。
後半、諸葛亮征嵐伝一巻 は白衣渡江が聴きどころ。いまや無双で関羽のイメージの増谷氏が呂蒙を演じられています。
あとはDX3の外伝ですね。孫権(森氏の若々しい孫権がかわいい)に代替わりして、みな動揺を隠せない。孫権も家臣達と距離を縮めようとするが、周瑜はそれだけでは足りないと指摘する。ある人が現れてヒントをくれるのですが、そこはちょっと花を持たせすぎて嫌味でしたね(孫呉ファンの感想です)
あとは安徽省のテレビ局製作の華陀のドラマに1話だけ周瑜が出てましたね。さすが地元安徽省なので、美しく凛々しい役者さんで目の保養でした。
他にあったかな…思い出したら付け足しますね。
指摘されて思い出した分
三国志ジョーカー 漫画
未来人の孔明となぜか執着される司馬懿のお話。とても時代考証にこだわりながら、SF設定もぶっ込んでいながら丁寧なつくりの作品でした。曹操の兄妹仲とかもすてきに描かれていました。
電子書籍ででているのですが、是非古本で見つけたら五巻あたりは呉のファンは確保ですぞ。喪服で残された子どもをかかえる未亡人の周瑜が見られます。あとねいろいろ…。
孫賁の娘と曹彰の婚姻とかもここをネタにするとは渋い…となります。それと孫兄弟姉妹の中に周瑜が次兄として数えられているのが好きです。周瑜は目的があって懸命に動いているんだけど、ちょっと他が見えてない感じがしました。孫権がいじけて酒にはしってましたが、さいごはちゃんと君主の威厳をもつようになります。とにかく周瑜が美周郎なの!とりあえず電子で読みましょう。
黒の李冰シリーズ 白井恵理子先生 漫画
白井恵理子先生の周瑜と言えば四コマで雑兵Aや孔明にボロクソにツッコまれている苦労人をしていますが、李冰シリーズ夜話では随尸鏡という短編に登場しています。登場の仕方がアクロバティック?喬国老の屋敷で起こる怪異の話で、小喬との馴れ初めを白井流で描きます。作品解説で、強い女性が好きで、その女性を包容できる男性が魅力的とコメントされていたと思います。四コマのギャグ周瑜とはひと味ちがうのよ。いまは電子でもでているのでどうぞ。日本史、中国史が好きな方はこのシリーズ好きなんじゃないかと思います。女性の生きづらさみたいなものも先取りして描いていて白井先生すごいです。この頃の角川の少女向け歴史コミックスは充実していたのですよ。東山聖生先生とか、皇なつき先生とか東洋史以外もね。
SHADOW影武者 映画 チャンイーモウ監督
これは正確に言うと呉ではなく、呉をモデルにした架空の国の話です。わたし田舎住まいなもので、この映画観るために一泊旅行しました。亀の子タワシ軍団?とか突っ込みどころは多いものの、やはり映像美は確かで、役者陣の熱さなどいろいろ圧倒されました。
主人公の都督、周瑜モチーフはやはり琴だったり音楽、楽器なんですね。そして文武両道。なんでもできる。
国主、孫権は書道。達筆で薄絹のカーテンみたいなものにいろいろ書いてあって、ちゃんと孫権が書に優れていたということが評価されていて嬉しかったです。でも、文に傾いて武を軽視している描写でもあります。
国主の妹、いわゆる孫夫人ですね。かわいくておてんばさんでした。政略結婚させられるのがかわいそうで。
小喬、国一番の美人。琴も夫といっしょに奏でる。都督のためにともに秘密をかかえる。
呂蒙ポジションの武将もいました。さいごはこの人の選択でどう転がるんだろうというところで終わってました。
映画は、国主と都督の対立、隣国の失われた領地を取り戻す(荊州問題)執念のために関羽モデルの敵将とガチ対決をしようとする都督。そしてその裏には秘密が……。
本来はそのまま呉蜀でやりたかったみたいですね。でも、諸事情あってこういう形になったようです。
スリキンドラマの後とあって国主と都督の関係が悪いのが哀しかったです。国主も家族は妹しか残っていない。
そう後味のいい映画ともいえないのでおすすめしにくいですが、モノクロの映像美はよかったです。
臨時 一日一策瑜 周瑜のお家
こんにちは。お久しぶりの更新です。
今回は各地にいっぱいあったであろう周瑜の御屋敷の中のひとつ、呉(蘇州)の周瑜のおうちの話をしたいと思います。
このお屋敷が特別なのは周瑜が袁術のもとから去って、本格的に孫策のもとへ身を投じたときに孫策から与えられた御屋敷なのです。イメージとしてはしちみ楼先生の『美周郎がはなれない』で描かれた華やかで、お庭の広い一等地の御屋敷。食客なども多数抱えていたでしょうからさぞかし広いでしょうね。
現在、周瑜故宅とされている場所は蘇州市の景徳路東南側に位置する城徨廟(城と堀の神を祀る)です。
この場所は、清代の『呉門表隠』なる書物によると、「周瑜故宅は郡の廟となっていて、古い井戸が残っている。中には古い柏があり周瑜が手ずから植えたとされる」
周瑜と孫策が一緒に記念樹を植えたとしたら萌えますね❤(柏の寿命は百年を越えるらしいですが、またそのドングリが育ってきたのですよ)
周将軍巷と呼ばれたそうです。
南北朝、粱の時代には、陸襄さんという呉県出身の役人が住んでいました。この人ちょっとおもしろいです。母の薬にするのに粟の汁が必要なのに、粟が手に入らず困っていると老人が訪ねてきて、粟をくれて、お金をもらわず帰ったそうです。それも調薬にぴったりの量だったとか。孝行者だと称されたそうです。昭明太子に仕えたり、各地で善政をしたり、かの宇宙大将軍侯景が反乱を起こした際もなんとか反抗の態勢を整えようとするも力尽きたようです。、死後に忠節を認められ、侍中、雲麾将軍を贈られています。
宋代になりあらたな英雄が周瑜故宅後に住むことになりました。周虎という人物です。周虎は二十六歳くらいで武状元(武人専門の科挙でトップ合格)になった人です。兵法武芸だけでなく、字も上手で詩文もできる非常に優秀な人物だったそうです。お父さんは平民ですが人格者で、お母さんが読書人の家系で教育熱心でかなり熱い烈女です。
孤立した城を金軍に攻められたときに、少数で守り切ったエピソードが有名です。周虎さんの一家はお母さんから幼い孫まで一族総出で先頭立って戦ったり、怪我人の手当をしたりしたので、兵士も住民も一丸となって戦い城を守り数倍の大軍を退けました。戦後、宋は金と条約を結ぶこととなります。周虎さんは朝廷の偉い人に余り良く思われてないことを感じとり、手柄をお母さんのおかげとして「永国太夫人」の称号をもらいました。その後、政界が嫌になり官を辞めたくなりましたが、お母さんから懇々と諭されて我慢していました。老母が亡くなると、喪と称して退官しそのまま官に復帰することはありませんでした。死後「忠惠」と諡号を送られました。宋代の文を以て武を制する方針が彼の前途を阻んだとされています。
周虎さんが住んだときは武状元巷と呼ばれていました。
途中、流水寺、法水寺、そして宋代に雍熙寺と名を変えていきました。元末に雍熙寺が壊され、明代に城徨廟となりました。
大戦後、工場になりましたが、近年また城徨廟が再建されました。現在では月下老人、城徨娘娘など多数の神様が祀られています。

なんと近所に楽器教室がある!
ウフフ、やはり周瑜のおうちからは音楽が聞こえたら素敵ですね。
よく周瑜は孫策死後数年間歴史の記述がないとされていますが、孫権を傍で支えながら、家族とともに孫策を失った悲しみをこの家で癒していたのではないかと思うのです。
#策瑜アンソロジー青梅竹馬 企画始動しました!
表紙イラスト担当1名様
小説担当9名様
か結集して送る電子書籍らぶらぶ策瑜、しかも正史準拠、現パロ禁止!
しかも、編集能力はゼロでpixivでなんとかなるかなぁ~のピヨピヨ主催のメリル@無是がお送りします。秋頃の頒布予定!
よろしくお願いします🙇
勝手にイメージ香水!
最近キャラクターの公式香水やイメージ香水を調合してもらうサービスなどがありますね。
個人的に使ったことのあるもので勝手に設定してみました。異論はどんどん求む。@3Amudまで提案して下さい!
グリーンティーだと甘いのですが、バンブーだと植物の青さが強く、個性があります。ちょっとこの青さが好みの分かれるところですが、少年の若さを感じます。
ロータスはウォータリーで優しさを感じさせるすっきりとした香りです。万人向き。
香りの指南をして下さったB師匠によると、
孫策はディプティックのタムダオ。
周瑜はディプティックのヴェチヴェリオ。
タムダオは一般的に寺系として有名ですが、ただの寺でなく、セクシャルな情熱を秘めた白檀のような気がします。
ヴェチヴェリオは柑橘とベチバーで爽やかに仕上がっています。ですが、ベチバーはある地域の女性は恋人との夜の前にベチバーの根を煎じて飲むとか。愛し合うとベチバーの香りが体から漂い媚薬になるそうです…えっちだ😚秘やかにセクシーなのがいいですね。
あとわたしは鳩居堂の白檀を人形の箱に入れてました。
張昭 武蔵野ワークスのサイレンス。寺系ですが、墨の香りが張昭ぽくて、謹厳な雰囲気がします。
魯粛 ロードゥイッセイ。なんか男性的な香りかな?とも思ったのですが、外交の名手は癖がないのにしっかり個性がある水のような爽やかなイメージかなと。水魚コンビとも仲良いし。
呂蒙 武蔵野ワークスのスノーミント。甘く爽やかなミント。爽快ななかにも可愛がられ、愛される感じ。
陸遜 武蔵野ワークスのヘルシンキ空港。いっそ薄荷の結晶?自己にも他人にも厳しい感じがクールな香りを想起させます。同じミントでもこちらは寒さを感じるミントです。
呉夫人 サンタマリアノヴェッラのアックアデッラレジーナ。王妃の水です。キリッとした高貴な美女を連想します。孫権に助言していた時の威厳ある慈母のイメージ。
子育て中は牛乳石鹸だと思います。
大喬 資生堂のタンタトゥリス。廃盤…。東洋蘭をつかった凜とした綺麗な香りでした。色白で背の高い美人のイメージ。
小喬 資生堂のヴォカリーズ。廃盤ですけど…。優しい歌声のようなパウダリーな香りでした。ヴォーカルというのが周瑜と相性がよさそう。
魯班公主 資生堂のSASO。これも廃盤。個性的な香りでした。沙棗の香りだとか。清朝の香妃をイメージしたもので黒と赤のパッケージが印象的でした。毒のありそうなセクシーさ。
魯育公主 ジルスチュアートのホワイトフローラル。優しいフローラル。かわいい女の子って感じ。
尚香ちゃん 資生堂のウィア。これも廃盤…。元気のいい女の子のイメージ。カシスと弾けるフルーティーな香りでした。
虞翻 エルメスのナイルの庭。李氏の庭とも迷ったのですが、南国感があるのはナイルの庭ですね。孫権の元で鬱屈しているときは李氏の庭もいいかも。落ち着いたフローラル。(個人的に書いている現代パロディの彼はジルスチュアートのバニララストとかクリスタルブルーム。ガーリーです…)
歩練師 ディプティックのフルールドポー。上品で控えめな香りが人柄に合っているかなと。きついと飽きられるかもね、孫権に。
呂範 複数使いこなすお洒落さんだと思います。ワタシの手持ちのなかでは、ゲランの夜間飛行かな。ふつーのおばさんには使いこなせないですこの重厚感!ディプティックのオルフェオンも良さそう。ブルガリのプールオム。とにかくお洒落江東ナンバーワン!
孫堅パパ ディプティックのサンジェルマン34とかどうだろう?ジョーマローンのグレープフルーツは軽すぎるかな?エルメスの地中海の庭もいいかも。ちょっとオジサマを感じる落ち着き……孫堅に落ち着きはあったか!?無双のシルバーグレイの姿に毒されすぎか。
孫権 熱燗の湯気でいいんじゃないですか?
自作小説では龍涎香にしたのです。龍、皇帝のイメージで。孫権に合う香りに出会っていないのかもしれません。
番外 蘇軾さん ショウレイヤードのシュガーライチ。ライチ好きの蘇軾さんにはこれしかない!三国志マニアだからここに付け加えとく!
お遊びでしたが、当時の香り事情は『香りの史学』などに詳しいです。
薬も兼ねて香草を摘んで小袋に詰めて腰や袖に着けて薫らせていたり、香を焚いて着物に焚きしめていたりとしていたようです。呉は南国貿易で香料を輸入していたようです。劉表は棺桶に香料を詰めすぎてその後暴かれたときに白蝋化していたそうです。呉の次に香料が話題にされるのは魏で、曹丕さんはローズマリーの香りを身につけていてウマに嫌がられ噛まれたとか…。詩にも詠まれています。
蜀は香料に関しては暗黒大陸状態ですが、資料が残ってないだけで西方や南方から多少入っていたりしてね。
人の匂いのイメージ化は楽しいね!
追加
甘寧 ダリ イランイランのフローラルの鮮烈な香り。容器も鼻とか唇のかたちでおもしろい。THE個性!
2024年 個人的三国志ニュース3選!
こんにちは。ことしもあまり更新できなかったブログですが、ツイッターでも書いた今年度の個人的三国志ニュース3選を発表したいと思います。
🌟第三位 『堅』がおもしろい!
十一月ごろ、やっと入手して読み始めたらおもしろいこと!漢語なんで読むのに時間がかかりますが、それもまたよし。漢代、三国志の知識も註で細かく解説してあったり、それ以前の時代の知識も問われるので調べつつ読んでいます。若く猿みたいに機敏に戦い、抜け目のないところが、後年の孫堅を思わせます。呉家のお嬢さんには一目惚れしつつ、その家産も狙っていたりとドキドキがとまりません。
🌟第二位 「剣劇三國志演技孫呉」が最高だった。
三國志好きが創った最高の三國志好きのための舞台でした。第一部ではこれまでの策瑜の描かれ方を一新してくれたと思います。切なかった。虞翻がいてくれたら、メンタルケアしてくれたかも…とおもってしまうような月の女神に愛されてしまったルナティックな孫策でした。『火鳳燎原39巻』を読んで欲しい。そして周瑜はだんだんと成長してゆく青臭くも、最後は立派な軍師でした。
飽和しつつも三国志とつけば売れてしまうので、本やゲームは玉石混交だとおもいます。
なんども「この作者はなんにも愛がないなー」と嘆くことがありました。
そんななかこの荒牧氏の愛のこもった舞台は、初心者にもこじらせたマニアにも刺さってくる情熱と愛のこもった作品で感動いたしました。願わくは続編を!
権ちゃんもシギも3おじもみんな最高でしたー!!
🌟第一位 これは文句なしに世紀の発見!
張昭墓から金印二つと金の腕輪が発見!
婁侯の印というのは、彼が婁の地で灌漑設備を成功させて農業の発展に力を尽くしたことから与えられたものです。他のひとも灌漑設備を試行錯誤していたようですが、この時代まだその技術は一般的ではなく、完成したものは少なかったようです。古代より水利事業に成功したのは賢人なのです。それを讃えるための印章でもあります。
輔呉将軍の印は雑号将軍のようでもありますが、金製ということは車騎将軍や三公クラスの重鎮であることをあらわす彼の偉業、身分を示すものでしょう。
金の腕輪はすわ!意外とおしゃれさんか!?と色めきたちましたが、小さな墓に同じく埋葬されていた奥様のものではないかということでした。
張昭の息子達は、彼の薄葬にしてほしいという遺言を守ったことがうかがえますね。
こういう発掘されたものは、当時本当に彼らが生きていたと言うことを感じさせてくれる貴重な品です。
呉の虎丘墳の孫家の一連の墓で、大きなものは孫策のものとみられています。また、孫登と推定されるものもあります。主君に近いところに陪葬されるのが許されていたとしたら、周瑜のお墓も近いはずです。
呉は骨はどうしても水につかって溶けてしまうようですが、発掘されて楽器類がたくさん出てきてウハウハになってみたい反面、穏やかに眠っていて欲しいような気もファンとしてはあります。
2025年も魅力的な三国志作品等に逢えますように。
みなさまよいお年をお迎えください。
わたしが呉が好きな訳。
お久しぶりです。
11/5はいい呉の日ということで、改めてわたしが呉の魅力にとりつかれた訳を書いてみたいと思います。
その昔、光栄から「爆笑三國志」という本のシリーズがありました。正史と演義から楽しいエピソードをピックアップして活きのいいイラストレーターの絵付きで解説する本でした。最初はシブサワ・コウ氏の前書きなどもあり、光栄も力を入れていた様子でした。シリーズ後半になると、ネタ切れも激しく『世説新語』『捜神記』などから語られたり、Ifネタもありました。その中で、
皇なつき先生のイラストの策瑜が超絶素晴らしく、「こ、これはなんだ?」
と二人を知るために吉川英治や演義、正史へと手を伸ばしていく訳です。
この前に三国志自体は人形劇で出逢っていたのですが、人形劇の策瑜は共演してない…孫策は程普だけをお供にして江東制覇してました…。
で、正史呉書にたどり着くわけですよ。
その前に『江表伝』という薄い呉書から抜き出して集めた本を図書館で見つけて読みました。孫策伝がありました。
「なんておもしろいんだろう!」
漫画みたいな爽やかさ。このつづきはないのか?ないんですね💧
『江表伝』はすでに失われた本で裴松之が拾い集めた断片のみで残るのです。なんと哀しいことか。
それから、学生のなけなしのお小遣いを貯めて、生協の5%オフでちくま正史八巻セットを買いました。
呉書おもしろい…というか変?
史官の視点がなんか他と違う?
呉書の史官は政争に巻き込まれて左遷もしくは死罪だったり。または、前線に引っ張られ途中で筆を放棄しなければならなくなった(あいつのほうが、史官の才能があるので呼び戻して下さいとかのパターンも)ことも。
けっこう人が替わっているんですね。それでも、みんななんか変。
美化したいのか、貶したいのか?
わけがわからない。
きれいなだけじゃない。そこが人間くさくていいなぁと思ってます。
前半は勢いがあって、みなの成長する姿が読んでいて楽しい。特に呂蒙なんかは、殺人からの抜擢、孫策時代の下積み、張昭の推薦で一武将として頭角を現してくる。孫権の学問の勧め、黄祖戦、江陵戦での活躍、魯粛との刮目エピソード、濡須口、浣城、そして白衣渡江、孫権の看病エピソード…。
泣けます。
でもね、やっぱり君主が覗き穴からじっと臣下の病状を見て、一緒に苦しむというのは美談だけど変じゃない?ちょっとズレてる。
優しくて変態な君主をそのまま描いてる。
そこがいい。
中盤は、泥沼の権力闘争ですね。
そして悪女の華、孫魯班。
彼女なくして呉の二宮の変は語れない。彼女自身の伝は立てられていないのですが、紀伝のそこここに彼女の影が垣間見える。モノクロの男達の間からちらちらとカラフルな裳裾が翻るのが視えるように…。後継者争いに、各豪族の思惑が絡み、そして女達の暗闘が。読んでいてゾクゾクします。
最終盤は、
孫皓!暴君!亡君!
ただのパワー系暴君じゃないところが、憎みきれない変な魅力があります。
現代的な見方をすると、視線恐怖症とか人形愛好者みたいな病的な部分も感じられます。
なんせ桓王さま(孫策)の再来と期待されているところが業が深い。創業の君主の再来がなんとか君主権を確立強化して、国を再興させようとするも、もはや隣国蜀漢は滅び、自国もあちこちで反乱が起きるなど風前の灯火。死ぬほど酒飲まして宴会したり(お気に入りの臣下が下戸だったらお茶を出した←こういう文化的な断片も呉書のおもしろさ)。仏像の功験を試そうとしてオシッコかけて大事なところが腫れあがっちゃったり…。小学生か…。
孫皓は狂気はあるけど馬鹿じゃないところがなお哀しい。
飛白体という書体が得意だったり、晋に降伏しても、劉禅のように波風を立てない生き方は選ばず、その才気煥発さを発揮し、司馬炎とその臣下をチクリとやり返しました。劉禅と違って降伏時、まだ若かったから孫策似の孫皓は統一の証として侍らすのは気分がよかったのかも(意地悪な見方ですが)
張昭宅放火事件とか爆笑しつつ、なんでこれを残そうと思った?残すことを許した孫権心広いよ。
張昭も「昔暗記したことをおぼえてるか?」とかで孫権と厳畯でトンチ比べみたいなことして、勝ち誇ったり(学者としても重臣としても筆頭の立場ですよ)赤壁開戦を反対しただけのガンコジジイじゃないですよ。ちゃんと婁の地で難しい灌漑工事(他の人も挑戦したけど上手くいかなかった)を成功させて民の暮らしを豊かにしたえらーい政治家なのですよ。だから婁侯の位をもらい、お墓にもその金印が残っているのです。
孫権も「魚は何が美味い?」とかグルメ談義はじめたり。戦の合間の平和がいとおしい。
呉書って策瑜だけじゃない、人の美しさだけじゃなくて愚かしさも描いてます。そこがいい。おもしろい。
人間賛歌万歳!!
なのであります。呉だいすき❤
(ついでに妖怪もいっぱいいるトコも好き)