策瑜で三国志ブログ

一日一策瑜 再録しました。三国志、主に呉、孫策、周瑜について語ってます。基本妄想。小ネタを提供して策瑜創作してくれる人が増えたらいいな。

よちよち漢語 十 需要愛先生 「思為双飛燕」

 呉夫人がお説教もできず、いささかため息が思わず漏れてしまった。
「策…、この子は新婚で落ち着かせようとしているのに、どうやら間違ったわ。この何日かどこへ行ってぶらぶらしているのかしら」
「お母さん」
 母のため息が聞こえ、孫権が近づいて呉夫人の膝の上にのった。
 頭を上げて、
「お兄ちゃんがどこへ行ったか知っているよ」
と言う。
「ん?」
 呉夫人は笑った。
「そなたはお利口さんね。言ってみなさい。お兄ちゃんはどこ?」
「公瑾お兄ちゃんを探しに行ったの」
「うん」
 呉夫人は不満足ながら頷いた。
(お友達のところへ行ったのね)
「お母さん」
 孫権はまたちょっと近づいて、まじめな口調で言った。
「お兄ちゃんは公瑾お兄ちゃんと添い遂げたいって、公瑾お兄ちゃんを引っ越しさせてきて、嫁を移したいって」
「何ですって?」
 呉夫人はぞっとしてびっくりし、内心ドキリともし、
(いやいやいや、まさか……)
指先で孫権の鼻をつんとして、
「権ちゃん、デタラメを言ってはダメよ」
と言った。
「自分の耳で聞いたもん」
 孫権は納得できない様子で言った。
「お兄ちゃんと公瑾お兄ちゃんにからかわれたのよ」
 呉夫人は優しく笑い、しかし、椅子に置かれた右手は知らず知らず力を込めて握られこぶしとなっていた。




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この「思為双飛燕」は、新三国ドラマが終わった頃かな、そのくらいに向こうの掲示板に連載されていたものです。
需要愛(愛が欲しい)というペンネームからして、突き抜けたコメディセンスと歴史知識の持ち主です。
掲示板形式だったので、読者のツッコミ感想も時々おかしくて、それをふくめて笑えます。
1番の珍事は作者さんが忙しく更新がなかったときに、偽者が現れて話の続きを書いたことでしょう。偽者さんのはなしもおかしかった😊