酒見賢一先生の代表作『後宮小説』をもとにしたアニメーション、「雲のように風のように」が放送されるらしいです。来月。
↓ツィッター スタジオぴえろさんからの情報
1990年にスペシャル番組として放送されたTVアニメ「雲のように風のように」が7月1日(水)19時よりBS12 トゥエルビにて放送!
詳細はこちらをご覧ください。
https://www.twellv.co.jp/program/anime/kumokaze/
これは、原作の毒をかなーり薄めたんですが、これはこれで名作。
銀河にコリューンに惚れました。声優をつとめたお二人さんがいいんだ!
佐野量子さんの惚けた味わいと凛としたところ両方。
市川笑也さんのおっとりノーブルなお芝居。少年皇帝ってこんな感じかしら。
放映当時も今も泣けます。
そして、原作との振り幅に驚いて欲しい。
ファンタジーノベル大賞第一作目として、賞の格を上げたと思うのはファンの欲目?
(後に続く錚々たる作家さんがいっぱい、いらっしゃいます)
先見性がありすぎて怖い。後宮ラノベの先駆けもそうだし、ツンデレな女の子を描くにしろ、
江葉 綾波タイプ
セシャーミン アスカタイプ
と描き分けている!
BL要素もちょっとはいっていたり、いろいろすごいのよ。
とにかく読めばわかる。
次、コレ。
地味なところ来ました。
『陋巷に在り』もおすすめですが、長いからな-。
『陋巷に在り』読む前の準備運動だと思って読んで下さい。
呪術的な面からみた儒教の素の世界が、大胆なイメージで繰り広げられます。
主人公・周公旦が政争を避けて南下して楚の部族を訪ねるところが面白いです。
南の文化に衝撃を受けるの。
(太公望の扱い方が宮城谷昌光先生と真逆なのが楽しい。ふふふ)
蘇東坡や王陽明が南へ流されてタフになって帰ってくるパターンの元祖ですね。
わたしは旅行の時になんとなく持っていくことが多いです。なんか心強い。
薄くて軽いし丁度読み返すのによいのです。
古代中国ものお好きな方は特におすすめ。
そして、イチオシはコレ。
酒見先生は中国ものだけではない!ということを雄弁に語る一冊。
英国メイドものだ。
構造的なことやメタファーとか難しいことはわからないので、率直に言います。
語り手さんエロい!
かわいい。
酒見賢一のエロスはなぜか女性にも受け入れられる、と何かで読んだ。わかる気がする。
健康的なほどよい明るさと暗さがあって、罪悪感が余りないので読んでいて不快感がない。
ガンガン責めるぜ!雄臭さでもなく、道教の上善水の如しの教えのように自然。
この辺、特異な作家さんだと思う。
そのほか、『ピュタゴラスの旅』(BL要素もあるよ)や『童貞』(題名から尖ってる、中国古代もの)、『聖母の部隊』(SFだ!)などもおすすめ。
未来に残したい作家さんですよ。