策瑜で三国志ブログ

一日一策瑜 再録しました。三国志、主に呉、孫策、周瑜について語ってます。基本妄想。小ネタを提供して策瑜創作してくれる人が増えたらいいな。

しちみ楼先生『美周郎がはなれない』上下巻

臨時 一日一策瑜 しちみ楼先生『美周郎がはなれない』上下巻

 

毎月ウェブ連載されていましたが、とうとう発売されました!

世界と戦える策瑜が来ました!

熱い!濃い!そして泣ける。

わたし生きているうちにはもう日本語ではこんなにすごい濃厚な策瑜を読めるとは思っておらず悲観していたんですよ。

ところがどっこい、巻末の参考資料の厚みからして、中華圏の三国志作品と対抗していけるキュートでちょっと残酷な絵のしちみ楼三国志が生まれたわけですよ。歓喜

月ごとに読んでいたときはコミカルな印象が強かったのですが、通して読むと戦乱の世の悲惨さが胸をうちます。本来なら青春を謳歌する世代である孫策の精神の荒み方も哀しいです。そこを癒してつつんであげるのが周瑜の愛なんですがね。

三国志だけでなく、後漢書の周家の来歴と不幸や袁家との深い関わりも掘り下げています。歴史の解釈や仏教観などもその当時の感覚を大事にして描かれていると思います。

笮融なんかはね現代人の感覚では仏敵だと思っちゃうんですが、当時としては普及した人だし…彼なりの切羽詰まった生き方で人間臭く描かれています。

かわいい絵なんですけど、けっこう血は多いです。死体もゴロゴロ。

小動物がうろうろしていてその辺の怖さは緩和されてます。

馬がいいんですよね、まつげが長くて動きが活き活きしてて。時代物を描く上では重要ですよね。

人物もみんな魅力的。策瑜はかっこよくて孫策は惚れるし、周瑜はかわいい❤そして変でキラキラ黒眼がこわい。(さいごの赤壁編でしちみ楼先生のホラー漫画家としての魅せ方躍如)

孫権もナレーター役お疲れ様。成長を感じました。孫堅一家、周忠おじさま、孫家家臣団みんな愛おしいほどかわいい。鉄拳を振るう程普さんも。イチオシは呂範!

他勢力の曹操夏侯惇郭嘉もキャラ立てしていたし、袁家の二人も、公孫瓚呂布劉備一家もそれぞれ魅力的でした。

わたしこの漫画で一番好きなの背景の街並みかも。江東の水郷をあんなにかわいく魅力的に描けるの日本人にもいたんだ!しちみ先生すごい!

小物も調べているんだろうなーというのが素人でもわかるくらい。

孫翊が遊んでいるのが鳩の車輪がついたおもちゃなの。発掘品で大三国志展にも展示してあったものとか。

酒を飲むにしても耳杯とか。

ストーリーを楽しむだけでなく、絵も隅々まで飽きさせません。

前作『キンとケン』の断袖コンビもあちこちで活躍していますのでそこも見所でしょう。

とにかく中華圏と韓国に訳して電子で輸出しよう!

策瑜ファンが待っている。

なんてたって名士先生お墨付き!

名士先生が呉に言及するの割と珍しいのでは?

孫策への愛ですから!

ただの忠誠じゃないよ、愛だよ!

日本の策瑜はまだまだいけるかもしれない!?