策瑜で三国志ブログ

一日一策瑜 再録しました。三国志、主に呉、孫策、周瑜について語ってます。基本妄想。小ネタを提供して策瑜創作してくれる人が増えたらいいな。

ヨボヨボ漢語 兔兔先生『双兔記』16

 三人が洞の外へ出てくると、紺碧の空は洗われたかの如く透き通り、明月は高々と上っていた。
「公瑾、ちょっと法力を試してみろよ!」
 伯符は公瑾の肩を叩いてみた。公瑾は天空を仰ぎ見て、玉でできたかのような清らかな顔をして、静かに月光を浴びていた。氷のような玉のような服の袖を動かしもせずにいた。そこで、緩やかに天に向かって風が起こり、玉のような色鮮やかな雲が筋をつくり、流水がうずまきをなし、一瞬天空を満たした。そしてごく細い金の光りが蝶の羽が鱗粉を飛ばすように天空からゆらゆらと落ちてきた……。
「公瑾、あれはどうしたことなんだ?どういう意味がある?」
 伯符が訊ねた。
「わたしは玉璧が天に昇る雲の梯子をつくり、彼女に感謝の花を降らせたのです」
 公瑾は静かに答えた。彼は自分の剣を呼び出し、三人並んで前に進んだ。
 前からは于吉が率いる道士が陣を張っていた。彼の頭の上には梟が旋回し、足下には大きな玄武が火を吐いていた。
「子明、おまえは公瑾を守れ……」
 伯符が最後まで言わないうちに、氷のような玉のような姿は雪のような剣を振るい空中に飛び上がり、于吉と斬り合い始めた、伯符と子明はあわてて助勢する陣を張った。
 空中から地上へ、地上から空中へ斬り合いは繰り返され、だんだん二つの陣がはっきりしてきた。公瑾は十数人の道士に阻まれて、伯符と子明は梟に乗った于吉と相討ちになった。
 突然公瑾が大声で叫んだ。
「子明、早く兄上を遠くまで連れて行け!また会おう!」
 公瑾は振り返って話したときに、肩に一太刀傷つけられた。身を躍らせて、その氷のような玉のような光は月光の中に融けた。ただ数滴の鮮やかな血が空中から伯符の手に滴り落ちた。
「承知!」
 子明は叫ぶと、身をくらます術で、伯符を連れて地下へと逃げおおせた。