疲弊さんが呉のおすすめ書籍を集めて紹介してくださいました。
メインじゃないけど、これは呉の民として部分的においしい作品を集めてみることにします。
策瑜ファン救済措置がありがたすぎる。他の作品で涙を流したら、これを読むといい。救われる。
蒼天航路 漫画
言わずと知れた曹操主人公の名作。
孫堅、孫策、孫権の三代とその臣下達(工業高校みたい。一昔前のイメージ?)周瑜がだんだんかっこよくなる。呂蒙の愛らしさ。甘寧の怖さ。陸遜の冷静。孫皎のヤンキー孫家の血。わたしは呂蒙の成長ぶりと周りに慕われてる感じが好きです。孫夫人も魅力的でしたね。
吉川三国志 小説
定番中の定番。赤壁あたりはつらいんですが(蜀びいきだからさ)、孫策と周瑜の友情、太史慈との出逢いなんかはよいね。昔橋本功氏のラジオ朗読があって味わいがありました。
秘本三国志 小説
全体的にはそんなに呉は活躍してないんだけれど、独自の解釈があって、呉もおもしろい。仏教観とかね。
なにより、ちび周瑜が孫策といっしょに孫堅軍に従軍してあれこれ献策しているのがおもしろいよ。堅パパもその若き才能には警戒しつつもちゃんと採用しているのが器がでかい。
秘本三国志は後々の作家陣に影響を与えているので、読んだほうがおもしろいとおもいます。
北方三国志 小説
漢の世界。ここの周瑜も孫堅軍に従軍しているんだな。尊敬している。北方先生は孫権はあまり魅力的に感じなかったみたい。でも、韓当、張昭らの老臣の暗躍、呂蒙から引き継いだ戦陣の重責に血尿が出る陸遜(かわいそ)。それをささえる凌統。(あれ?享年あってる?)細けぇこたぁいいんだよ漢の世界に酔いしれよ。孫策の孤独癖をちゃんと描いた作品は日本ではこれが初かな…?文体が合うなら読むべし。
江森三国志 天の華地の風 小説
ジュネだぜ。一、二巻はしかも周瑜×諸葛亮ときた。策瑜者には敷居が高い。
だが、江森先生の権力闘争描写は呉にも余すことなく描かれていて、九巻あたりの姜維が張昭を訪ねて、驚かれ代わりに息子の張承が内情を説明したりすることがあるんですけど、おもしろいですね。
歩夫人が危篤で、孫登の地位が危ういという先生独自の見方もさすがです。
呉のところを読むと自然と、仁義なき戦いのテーマが流れるんですよ頭の中で。
呉はイカれてます。893。みんな周瑜が好き。女は潜在的に周瑜の妻。酒見先生は劉備が描きたかったようで、後半失速が否めないのですが、呉はおかしいので読んで確かめてください。
如果历史是一群喵 動画 漫画解説本(漢語、最近韓国語も出ました)
4、5巻です。三国志部分は。策瑜は直接絡みがなくて哀しい。役者猫がそれぞれ歴史人物を演じているのですが、項羽を演じていた揚げパン猫が孫策を、虞美人(たぶん)の豆花猫ちゃんが周瑜を演じているのが憎い演出です。ダイジェストなんですが、なぜか孫権の周瑜に服を山ほど贈っていたネタとか採用していてわらっちゃいます。
火鳳燎原 漫画
香港版、台湾版、韓国版(電子)、日本(九巻まで)
なんとか日本で再契約して出版してくれないだろうか…。エンジンかかるの遅いんですよ、日本の漫画の展開と違って。だから九巻でストップしたのではないかと。もちろん掲載誌の休刊もあります。あと漢語が難しい。主人公は趙雲、司馬懿ですけど、魅力的な人物がたくさんでます。
呉のファン、策瑜ファンは39.67巻だけでも読んでください。泣ける。孫策の偉大な父へのコンプレックス。そこからの解放。それを一部始終見つめているのが周瑜という。
さらに火鳳孫策にハマった方にはノベライズの『孫策』もどうぞ。これはあまり策瑜寄りではなく、幼なじみの凌統の父凌操との想い出や、彼と似ている太史慈との出逢いや、父親への想いが描かれています。
あと割と最近に
堅 小説(漢語)
というのがでてます。その名の通り、孫堅主人公です。めちゃくちゃこだわった書き方をされてます。いかんせん漢語なんで読むのに難航しています。個人的には孫堅のどこに転戦しても強いのかとか、程普韓当、黄蓋との出逢いをよみたいですね。
江東双璧 小説(漢語)漢語のラジオドラマもある。
わりとゲームの影響がつよいのかなという印象です。出したい人物を放り込んでくるタイプ。歴史は二の次。沈黙の行をする僧侶とか時代考証も二の次。三の次。でも、策瑜の情念はすごい。優秀な周瑜に取って代わられるのではないかと疑心暗鬼になる孫策。とても繊細なところもある。しかし、周瑜は友情を越えた愛情で孫策に尽くし続ける。最期まで。これ訳したんですけど、訳しながらボロボロ泣いてました。
孫策と周瑜 1話ドラマ アマプラで観られます。(字幕、吹き替えあり)ユーチューブで漢語のもあるかな。
玉璽を巡る冒険。袁紹に仕える周瑜というのからツッコミたくなります。でも、袁家と周家の付き合いを考えればそんなにおかしいことでもないかな。小喬ちゃんも少し出ます。ちょっとねー役者さんが老けすぎな感はあるんですよね。フレッシュさが足りない。でも策瑜の友情は感じました。評判はあまりよろしくないのですが、スルメのようにかみしめられる方のみおすすめします。
軍師連盟 ドラマ(字幕) アマプラで観られます。
孫呉パートはほんの少しなんですけど、室内に蓮の水槽?があったり孫権の髪に赤味があったりと渋い。演出も陸遜は爽やかだし、張昭は杖ついていて、権ちゃんに手をひかれたりと、観たい孫呉の世界がありました。
あとね、有名人が周瑜だから、強さの単位が周郎なの。死んでるのにね。曹操の死ぬ前も周瑜のことを回想していました。記憶に残る相手だったんだね。勝ち逃げされて。
石亭の戦いはみどころです!こんなに周魴がかっこいいドラマはないでしょう!
光栄ドラマCDシリーズ
第六巻は周瑜の巻なんで、そのまま策瑜ファンはチャプター4まで聴くべし。「あにうえ~!」がかわいい速水ボイス。爽やか井上孫策。あと朱治が冒頭で袁術からの独立をそそのかすのがポイント高いです。太史慈もいいし、魯粛、張昭と脇固めもしっかり。
後半、諸葛亮征嵐伝一巻 は白衣渡江が聴きどころ。いまや無双で関羽のイメージの増谷氏が呂蒙を演じられています。
あとはDX3の外伝ですね。孫権(森氏の若々しい孫権がかわいい)に代替わりして、みな動揺を隠せない。孫権も家臣達と距離を縮めようとするが、周瑜はそれだけでは足りないと指摘する。ある人が現れてヒントをくれるのですが、そこはちょっと花を持たせすぎて嫌味でしたね(孫呉ファンの感想です)
あとは安徽省のテレビ局製作の華陀のドラマに1話だけ周瑜が出てましたね。さすが地元安徽省なので、美しく凛々しい役者さんで目の保養でした。
他にあったかな…思い出したら付け足しますね。
指摘されて思い出した分
三国志ジョーカー 漫画
未来人の孔明となぜか執着される司馬懿のお話。とても時代考証にこだわりながら、SF設定もぶっ込んでいながら丁寧なつくりの作品でした。曹操の兄妹仲とかもすてきに描かれていました。
電子書籍ででているのですが、是非古本で見つけたら五巻あたりは呉のファンは確保ですぞ。喪服で残された子どもをかかえる未亡人の周瑜が見られます。あとねいろいろ…。
孫賁の娘と曹彰の婚姻とかもここをネタにするとは渋い…となります。それと孫兄弟姉妹の中に周瑜が次兄として数えられているのが好きです。周瑜は目的があって懸命に動いているんだけど、ちょっと他が見えてない感じがしました。孫権がいじけて酒にはしってましたが、さいごはちゃんと君主の威厳をもつようになります。とにかく周瑜が美周郎なの!とりあえず電子で読みましょう。
黒の李冰シリーズ 白井恵理子先生 漫画
白井恵理子先生の周瑜と言えば四コマで雑兵Aや孔明にボロクソにツッコまれている苦労人をしていますが、李冰シリーズ夜話では随尸鏡という短編に登場しています。登場の仕方がアクロバティック?喬国老の屋敷で起こる怪異の話で、小喬との馴れ初めを白井流で描きます。作品解説で、強い女性が好きで、その女性を包容できる男性が魅力的とコメントされていたと思います。四コマのギャグ周瑜とはひと味ちがうのよ。いまは電子でもでているのでどうぞ。日本史、中国史が好きな方はこのシリーズ好きなんじゃないかと思います。女性の生きづらさみたいなものも先取りして描いていて白井先生すごいです。この頃の角川の少女向け歴史コミックスは充実していたのですよ。東山聖生先生とか、皇なつき先生とか東洋史以外もね。
SHADOW影武者 映画 チャンイーモウ監督
これは正確に言うと呉ではなく、呉をモデルにした架空の国の話です。わたし田舎住まいなもので、この映画観るために一泊旅行しました。亀の子タワシ軍団?とか突っ込みどころは多いものの、やはり映像美は確かで、役者陣の熱さなどいろいろ圧倒されました。
主人公の都督、周瑜モチーフはやはり琴だったり音楽、楽器なんですね。そして文武両道。なんでもできる。
国主、孫権は書道。達筆で薄絹のカーテンみたいなものにいろいろ書いてあって、ちゃんと孫権が書に優れていたということが評価されていて嬉しかったです。でも、文に傾いて武を軽視している描写でもあります。
国主の妹、いわゆる孫夫人ですね。かわいくておてんばさんでした。政略結婚させられるのがかわいそうで。
小喬、国一番の美人。琴も夫といっしょに奏でる。都督のためにともに秘密をかかえる。
呂蒙ポジションの武将もいました。さいごはこの人の選択でどう転がるんだろうというところで終わってました。
映画は、国主と都督の対立、隣国の失われた領地を取り戻す(荊州問題)執念のために関羽モデルの敵将とガチ対決をしようとする都督。そしてその裏には秘密が……。
本来はそのまま呉蜀でやりたかったみたいですね。でも、諸事情あってこういう形になったようです。
スリキンドラマの後とあって国主と都督の関係が悪いのが哀しかったです。国主も家族は妹しか残っていない。
そう後味のいい映画ともいえないのでおすすめしにくいですが、モノクロの映像美はよかったです。