策瑜で三国志ブログ

一日一策瑜 再録しました。三国志、主に呉、孫策、周瑜について語ってます。基本妄想。小ネタを提供して策瑜創作してくれる人が増えたらいいな。

ヨボヨボ漢語 兔兔先生『双兔記』終

 伯符が気がつくと、自分が曲阿の土地神の神廟にいることがわかった。ため息をついた。
「公瑾はどこか知らないか?」
「将軍、あなたはここにいてください。それがしが周都督を探してきます」
 子明は蹲り、両眼をきらきらさせて、伯符を見つめた。
「これでもわたしは地界の職に就いております。あの妖しい道士もわたしをどうこうすることはできないでしょう。天の決まりを犯すことも恐れない限りは」
「それはならん!万一天の神がおまえが職を離れていたと知ったら、死罪かもしれないんだぞ。オレが賢弟を探しに行ったほうがずっといい!」
「それは……まぁよいでしょう。将軍ご安心下さい。周都督の法力はとても強い、きっとご無事でしょう!」
「オレは無事かどうかを心配しているわけじゃないんだ」 
伯符は枯れ草を一本銜え噛んだ。眉を顰めて言った。
「あいつが寒いんじゃないか。腹減ってるんじゃないか。どうしたらいいんだ!子明おまえが知っているのかはわからないが、あいつは名門に生まれて甘やかされて育ったんだ。ここずっとの年月も全部オレが面倒をみていたんだ。あいつは最後の薬も飲んでいなかったし、内臓のケガもよくなったのかもわからない!それから、人の形をとれるようになったとき、着ていた天衣はちよっと薄着過ぎるだろう!おまえもなんとか言ってくれ。過去にはニ弟があいつに毎年二百件もの衣裳を褒美に与えていたんだろう。あいつはどうして全部覚えていないんだ?!ちょっと考えたら、別のに替えられるだろうに。あいつときたら、ただ覚えているのはあの白い裘だけなんだから……」
「白い裘?」
 子明は目を大きく見開いて驚いた。
「あの白兔の白い毛皮だよ!」
「将軍はますます冗談がおもしろいですね。前世を越えています」
 子明は首を振りながら笑った。
「わたしは飛び上がるほど驚きましたよ」
「なぁ、おれはよく考えないとならん。いかにうちの公瑾賢弟を探し出すか……」
 
(了)