策瑜で三国志ブログ

一日一策瑜 再録しました。三国志、主に呉、孫策、周瑜について語ってます。基本妄想。小ネタを提供して策瑜創作してくれる人が増えたらいいな。

原作 陳某先生/作 王貽興先生/火鳳燎原外伝小説『伯符』

今回は一日一策瑜には入れられませんでした。
涙、涙。
孫策の十代から二十代晩年まで疾駆します。
幼なじみ凌操との関係。
凌家とは三代繋がりがあることになっています。(正史とは違うオリジナルですね)
自分の身替わりとなって死んでいった、さらにその死すらも利用した。いろいろ悩みます。老獪なようでやはり若者です。
孫権との関係も、ものすごくこの『伯符』ではコンプレックスいっぱいに描かれていて意外でした。父孫堅になかなか認めてもらえない。やっと認めてもらえたと思ったら、お別れで、孫策の気持ちの行き場がないんですよね。きみはよくやっているよ、と絶対誰も思っていると思うのですが、漢の忠臣ではいられないことも悩みの一つ。
孫策は奸臣というほどでもないムーブだとおもいますが、あえてこう書いているのでしょう。偉大な父がつらい。
周瑜はあんまり期待したほど活躍しないのですが、漫画と同じくらいですかね。
孫紹周循をそれぞれ抱っこしたイクメンなシーンは暖かくてよかったです。
そうですね、原作より大喬さんと孫紹くんがでてきて、孫策が息子であり、息子の父親でもあるというのが濃く描かれていて孫家の時代が繋がっていくお話としておもしろかったです。
最後は原作よりずっと遙か先を描いていて、孫権の即位、そして衰退をも描いていました。孫紹が似ていて、さらに孫登が狩猟中に矢で亡くなるという設定も、ここまで描いてくれるのでしょうか、原作は。
そして、いっこ疑問が解決しました。
孫策が亡くなる間際、孫堅が迎えに来たとき。桶があったんですよね。
ずっと意味がわからなかったのですが、孫堅が洛陽で火災を消そうとしていたときの水桶だそうです。細かい。
あと、呂蒙が諳んじていた春秋も兄弟の争いを戒めるお話の部分だそうで、もう情報が濃い!
五年くらい寝かして、なかなか読み切れなかったのですが、(読解力にも問題が相当ある)やっととりあえず読みました。
涙でティッシュの山をつくりながら、読みましたよ。陳某先生の孫策はとても魅力的です。それを掘り下げたこの作品も、かなりつらい部分があるものの青春の尊さが輝いてます。
だからこそ、末尾の孫権の老いがまた強調されるという……。
策瑜としてはちょっと物足りませんが、孫策ファンにはよいかも。影のある孫策ですね。