策瑜で三国志ブログ

一日一策瑜 再録しました。三国志、主に呉、孫策、周瑜について語ってます。基本妄想。小ネタを提供して策瑜創作してくれる人が増えたらいいな。

よちよち漢語 9 亮瑜啊亮瑜先生「伴君左右」

 数日後、諸葛亮趙雲に大きめの傘を買ってくるように言いつけた。趙雲は訊ねた。諸葛亮はただこう言った。
「天気も熱くてね、わたしは傘を差していれば日にやけずにすむだろう」
 兄貴が招いた軍師を尊敬している黒い顔は、軍師はほんとうは身体が弱いんだな。以前は自分で畑を耕していたとかいうのに。諸葛亮がやることは理由を言わないが、彼のなすことにはかならず道理がある。そうなると、趙雲もそれ以上は聞かなかった。趙雲諸葛亮のための不純な傘を買いに走った。趙雲が買ってきた傘を前に周瑜諸葛亮は話し合った。
「先生がこのようになさるのはよろしくないと思う」
「公瑾は出かけたくありませんか」
「もしわたしのためなら……先生は気にしないでください。今は先生は蜀の軍師中郎将で軍務に忙しい身なのですから。わたしが先生を煩わせることはありません」
 周瑜は彼に借りを作りたくなかった。
「公瑾はほんとうにわたしを心配してくれるのですねぇ。もしわたしがいなければ、公瑾もここでとりつくことにならなかったでしょう。ですから地主のよしみとしておもてなしいたしますよ。わたしはそうするべきです」
 諸葛亮は春風のように得意げに笑った。とっくに断ることができたなら、自分はどうして許すことがあるだろうか。諸葛亮周瑜が地面に蹲って苦しむ姿を見たくなかった。……さらにはいつか突然周瑜が消えて再度自分のそばにあらわれなかったらと心配していた。だから日々周瑜を見守り、そばについているのが最もいい方法だった。
 周瑜は彼の話を聞き眉をひそめていた。
「先生、人の口は恐ろしい。もしそのようになされたら、おそらく先生の名声に……」
 周瑜の口から自分の名声と言う言葉が出てきて、諸葛亮の微笑みはさらに深くなった。
「公瑾が思うほど、わたしはそういったことは気にしません」
 周瑜は内心では思った。果たせるかな、こういった天才は世俗の注目など気にしないのだ。それにしても毎日そばにいる幽霊に地主のよしみと尽くすのはなんだろう。いわんやこの幽霊は生前蜀を取りたい敵将だったのに。
 周瑜諸葛亮に反対する理由も見つからず、彼がすることに任せた。それに後日なんとやら言われるのは自分でなくて諸葛亮だし、自分も騒ぎ立てられないほうが嬉しい。そこでそのままそのように決まった。