策瑜で三国志ブログ

一日一策瑜 再録しました。三国志、主に呉、孫策、周瑜について語ってます。基本妄想。小ネタを提供して策瑜創作してくれる人が増えたらいいな。

よちよち漢語 7 亮瑜啊亮瑜先生「伴君左右」

 たった今蠟燭を放り出した周瑜は依然として諸葛亮の目の前に座っていた。顔には複雑な驚きを浮かべていたが、内心では早くにこやつを殺したほうが呉と蜀のために害を除くことになるのではないかと思った。そして自分は死んでも、まだ諸葛亮に揶揄われるのかとも。
 この諸葛亮は天下の一大奇才でもあるが、幽霊ですら揶揄う。周瑜が考え込む様子をみて、諸葛亮は失笑を禁じ得なかった。この人はまったく性格が変わらないな。低い声で呼んでみる。
「公瑾……」
「うん」
 周瑜はぱっと頭を上げた。手が伸びてきてそっと周瑜の顔をなでた。撫でたといっても、諸葛亮周瑜には触れていなかった。ただ周瑜の顔のそばをなぞったのだ。諸葛亮は手のひらに陰気で冷たい感じを覚えた。
 周瑜は首をひねった。諸葛亮の少し失望した顔を見てそっと言った。
孔明、どうしてそこまでこだわるのか」
 諸葛亮は手を引っ込めた。薄く微笑んだ。
「わたしの公瑾に対する気持ちは変わることはありません。今天によって引き離されていても」
 公瑾はわたしのそばにいるのですし。諸葛亮はとても優しく微笑んだ。
 周瑜は無言におちいった。孔明孔明、わたしはいまだかつてそなたのこのような執着があるとは考えなかった。……わたしに対して、恐ろしい……周瑜はそっとため息をついた。

 一人と一人の幽霊が同室の日々はまあまあ平穏だった。たまに諸葛亮が紙銭を焼いたり、蠟燭をおいたり、お供えを供えたりすると部屋の中はピンピンパンパンと音が響いた。
 周瑜が幽霊だといっても、しかし、諸葛亮は客人に対する礼はおろそかにしなかった。人に命じて自分の簡素な部屋に、屏風で区切った一画をつくり、それから薄い幕で陽光を遮った。周瑜がそこで休めるようにである。周瑜は物静かなのを好んでいたので、諸葛亮の部屋で過ごしているときは、おとなしく屏風の後ろで音楽の研究をしていた。諸葛亮は前回周瑜が苦しむ様子を見ていたので、なるべく出かけず、部屋の中で美人が薄い幕の中で琴を弾いているのを見ていた。