策瑜で三国志ブログ

一日一策瑜 再録しました。三国志、主に呉、孫策、周瑜について語ってます。基本妄想。小ネタを提供して策瑜創作してくれる人が増えたらいいな。

よちよち漢語 3 亮瑜啊亮瑜先生「伴君左右」

 次の日の早朝、諸葛亮と趙雲は蜀の船に乗り込んだ。魯粛ら数名の将軍が見送りにきた。
 江東は周瑜を失ったことは確実に国を挙げての悲しむべきことで、孫権さえも自ら葬儀に赴きました。今、数名の将軍と魯粛が諸葛亮、趙雲を見送るのは礼に適っている。
 船に乗るとき、後ろのほうから「都督、時間がありません、戻りましょう」と声がした。
 諸葛亮は思わずさっと振り向いた。だが、魯粛が何か言いたげに自分を見ているのが見えただけだった。諸葛亮はもう何も言わず、趙雲とともに船内に入っていった。だんだん江東が遠くなっていくのが見えないところに行った。
 趙雲は軍師の顔色が依然として良くないと思った。だが、なにをしたらよいかわからず、船の先で風に吹かれていた。

 周瑜はゆるゆると目を見開いた。今朝早くに諸葛亮が出かけるときに、周瑜はまた大きな力に引っ張られて意識を失った。だが、今回はついにはっきりした。自分を部屋から連れ出したのは諸葛亮であると。神のみぞ知る、諸葛亮が妖しい方術を使って自分を抑えこんでいるのだ。簡単なことではない。
 目覚めると、やっぱり目の前にいるのはあの悪事の張本人である。
 ごほん、とうに奴は妖しいと知っていた。だが、まさかこんな邪法、わたしが死んでもまだ牽制を受けるとは。周瑜は目の前でのどかに茶を飲んでいる人と見つめ合った。
「公……瑾」
 諸葛亮は訝るように頭を上げた。前を見る。
 周瑜は習慣で眉根を寄せた。まさか聞こえるのだろうか。
(*ここ抜けあり)
「公瑾」
 諸葛亮は感動して、周瑜が低い卓に乗せていた手をつかもうとした。しかし、周瑜の手をすり抜け低い卓に落ちた。二人の手は同じところに重なっているものの、諸葛亮周瑜のやや透明な身体から自分の手がはっきりと見えた。
 周瑜はびっくりした。諸葛亮を見つめた。
「そなた、わたしがみえるのか」
「公瑾、やはりあなただ」
 諸葛亮は見るからにやや驚き、疑っていた。目の前のあの方の美しく秀麗な顔立ち、やや皺を寄せた眉……江東の周郎でなければ誰だというのだ。
「どうして先生はわたしがみえるのか、昨日はぜんぜん見えなかったのに」
「まさか……公瑾がずっと亮のそばに」
 諸葛亮は少し調子を取り戻していた。手を引き抜いた。声音は喜んでいる。
 周瑜は眉根を寄せて彼を見た。その人はまた薄ら笑いを浮かべて、ほんとうにウンザリする。
「昨日わたしは棺のそばにいました。先生が出られるとわたしも霊堂から引っ張られて……今、また蜀の船に乗っています。先生、なにか方術をしかけていませんか」
 諸葛亮は絶世の美人…幽霊を見て、心中いろいろな思いに囚われた。彼はほんとうに幽霊になった。なぜか、自分は彼を見ることができる。しかし、周瑜は幽霊になっても依然として礼儀にこだわった話し方で、諸葛亮は失笑を禁じ得なかった。