漢語力向上と日本語力向上を狙って、翻訳してみます。蟻の歩みです。
策瑜、権瑜(?)のコミカル同人小説です。細かいネタの練り込み方がツボに入ります。
惜しいことに未完なんだよなー。
先が気になるお方は https://www.hotbak.net/key/%E5%8E%9F%E5%88%9B%E6%9D%83%E7%91%9C%E7%AD%96%E7%91%9C%E6%80%9D%E4%B8%BA%E5%8F%8C%E9%A3%9E%E7%87%95tbc813%E6%9B%B4%E6%96%B0%E8%87%B3.html
などサイトで読めますので。どうぞ。
以下翻訳開始。
こういうタイトルにしたが、本文はおふざけ路線です。くだらない作品で各種歴史常識と新三国ドラマがねじりドーナツ(麻花)状に絡み合っています。
ご注意ください。
一、お嫁ちゃん
孫権は早熟で、三歳の時に父の孫堅の膝の上で夜空を仰ぎ見て、満天の星たちを指差し、小さな手を叩いて言った。
「天下、天下」
孫堅は大笑いした。
「やはり、虎の父には犬の子はいない。うちの子は勇ましい!」
ただし、その後続けて孫権はちっちゃな手でもって激しく叩いた。
「お嫁ちゃん、お嫁ちゃん」
孫堅はすぐ顔に黒線を浮かべて(ちびまる子ちゃんのアレだ)、顔を近づけて諄諄と教えて聞かせる口ぶりで次男に話した。
「大丈夫は妻が無くとも憂えることはない。実際、妻がいなければ奪えばよい。貴族のお坊ちゃんが女色にふけるのを真似するなよ。なぁ、いいこだ」
孫権はつぶらな眼をめぐらせると、突然、庭の入り口に黒い影がちらりと動くのが見えた。
すぐ手をのばした。
「お兄ちゃん、お兄ー」
その黒い影はぎこちなく立ち止まった。
孫堅は目をくれずとも誰だかわかって怒鳴った。
「こんな遅い時間にどこに行く?」
十歳の孫策は背中に何か隠しながら、
「コオロギ採りに行く」
と言った。
「コオロギ?お前の手の中のものは何だ?」
孫堅は孫権を膝から降ろすと、すっくと孫策の前に立ちはだかり、その腕をつかんだ。孫策は強情にも藻掻いたが、しょせん腕力では父親にはかなわず、隠していた物を取り上げると意外にも、ひと壜の酒であった。
「こいつめ」
孫堅は酒を奪うと、まず一口呷った。そして口を拭って言った。
「旨い酒だ!」
孫策をじろりと睨む。
「おまえは酒壜を提げて何しに行く?」
孫策は始めは俯いて黙っていたが、暫くすると顔を上げて両眼をキラキラさせて言った。
「父さん、友達が遠くから会いに来たんだ。濁り酒でもてなすんだ」
「おまえに遠くから訪ねて来る友がいるのか?」
孫堅は啞然とした。
「あいつは父さんの威名を慕い、オレが父さんに似て勇気があるって慕ってる。だから付き合ってる。オレも粗略にはできない。悪いか?おやじ」
孫堅は聞き終わると、思わず大笑いした。
「よく言った、よく言った!行きなさい」
持っていた酒壜を孫策に返し、長男の肩をバシンと叩いた。
その辺りに孫堅に放り出されていた孫権は、居ても立ってもいられず、ゴロゴロと転がってきた後、ヨチヨチと這ってきて、
「お兄ちゃん、にぃ、権ちゃんも行きたい」
孫策はあっかんべぇをして、
「おまえは連れて行かない」
とさっと消えた。