臨時 一日一策瑜
菊池道人先生『周瑜』
こんにちは。お久しぶりです。
すっかり紅葉となりましたが、読書の秋とはなりません。動画で曹操のドラマとかみちゃっています。ライティングが暗めなのと、衣装や小道具が地味めなのが好印象です。お酒の仕込みを曹操や夏侯惇らが、みずから行っているという、風俗がおもしろい。
で、今回紹介しますのは『周瑜』PHP文庫です。
私の勝手な偏見なんですが、この文庫シリーズってサラリーマンの人がエンタメと知見を少々得る感じで読むのかな?と。
同じくPHPの『呂蒙』なんかはまさに成長物語でぴったりでした。
今回の『周瑜』もわりと中間管理職の大変さを描いていて、同系統かな…?
(『孫策』のお耽美感はなんだったんでしょうね?二人手を取り合ってキャッキャウフフの世界🌹)
末尾にいろいろ参考資料かいてありましたが、内容的には、演義4正史3オリジナル3くらいかな。
孫策とは小さい頃からの幼なじみで、彼を助けようとするのですが、なにせ、孫堅の時代からの武将や張昭らの招かれて参じた文官勢、いずれも年上。
周瑜は出しゃばらないように気をつけながらも、実績を作ろうと努力するわけですよね。
そこにでてくるのが、天敵・程普さん。
ことあるごとにお小言を頂戴するのです。
我慢する周瑜。(中間管理職の悲哀💧)
和解したときはやっとかーと一安心。
部下にも、頼れる呂蒙も成長中、ほかにも川賊、江賊上がりの暴れん坊たち。
敵には嫁を付け狙うスケベ親父の曹操や、ひたすら下手に出て人間の器のでかさを見せつけてくる劉備主従。
いまいち危機感なさそうな孫権。
最期はね、がんばったよね周瑜くん、てな気持ちになりました。
孫策との関係はあっさり、ちょっと遠ざけられたりして悲しかったり。
嫁が泣き虫でいまいち。こういう美女が好きなのか?うけるのか?
男性読者が主流なためか、あんまり麗しい記述はなくカリスマ性も強調されず、努力の人って感じでした。
レッドクリフの周瑜をさらにさらに地味にした感じ。
頭軽めなわたしは、もうちょっと華やかに描かれてもいいんじゃないかな?と思います。
だって「江東之華」とよばれるお方ですもの。