やーかかった、かかった。
面白いんだけれど、心臓に白刃を突きつけられるような表現が多くて読んでて疲れました。
精神的負担が大きい。グサグサきます。
一巻が兄弟、親子の憎愛が中心だったのにくらべ、二巻は男女、夫婦の愛憎が描かれていたような気がします。
一巻、司馬懿と牢にぶち込まれるわ、拷問されるわ大変だった曹丕、郭照ちゃんとつかの間の安らぎ。
それでも、そんなに愛されている郭照ちゃんでも、曹丕がひんやりと冷たく恐ろしく感じる瞬間も。
曹丕も郭照ちゃんを守り切れずに、皇帝なのに一人の女も守れないと落ち込んだりしています。
こんなのは、軍師連盟ではラブラブな方ですね。
甄宓夫人との息子をなしながらも、愛し合えず、憎しみあう関係。
曹丕のお前とは一緒の墓に入りたくない!って脚本家さんそこにあの詔を持って行ったのねーと感心。一種、現代的な感覚ですよね。曹丕さんの墓に対する思い入れ。
甄夫人も、生まれ変わってもあなたとは逢いたくないわ、と決裂。
そして、甄夫人も絡んでの曹植との対立。
赤壁の時は、泥濘に濡れながら泣いている曹植を宥めて助け合ってたとか。思えば、曹冲の死と赤壁での負けがこの兄弟の対立を呼んだのかも。
赤壁で勝っていれば、魏王朝が曹操の代で成立させられたかもしれませんし。
曹丕が曹植を責める原因の一つに、荀彧、崔琰を巻き込んで死なせてしまったことをあげていました。
でもなー、二人は曹丕個人というより長子相続の点からかな?ボンクラすぎたらさすがに推さないだろうけど。
曹植の楊修に語りかける嘆きの言葉がよかった。
「常々思ったよ、もし二哥と争うこともなかったら、今鄴城に留まれたのではないかと。哥ときみ(楊修)と好きなだけ酒を飲み、詩を詠んで…多分それがわたしの望んでいた日々だった………十年、はは、自分の青春ときみの青春と、二哥と二嫂(甄夫人)の青春、すべて悪夢のような争いと成り果ててしまった…」
このあと、楊修の死刑なのですが、なんとも虚しいこと。曹彰が担ぎ出す場面もありますが、楊修の死で諦めがついている様子。
兄嫁萌えは曹植だけじゃないんだぜ。このドラマ。
こっそり、嫂に懸想する司馬昭。
まだ、少年の頃、愛情表現が「ごはん」差し入れ! かわゆい…。
辛かったと言えば鄧艾の子夜ちゃんですね。そういうエピソードをつくって、人物像を創っていくのかと意外でした。
最強春華さま。
司馬懿と江東に行く。
「うちの嫁は武力はわたしの十倍です」
つえぇー。いや十倍できかなくね?
そんな春華さまも文句が。
「あなたはそんなに多くの人の心配ばかりして、わたしのことを考えてくれたことはあるの!?」
怒り爆発。
それでも、イザコザあったにも関わらず柏夫人を認めてあげる度量が。アゲアゲ⤴
赤壁と周瑜の描写がでてくるのがニヤリと笑えました。呉の民大喜び。
孫権と陸遜も出てくるしね。
周瑜は台詞で二カ所出てくる。
司馬懿が「赤壁の一戦の後、魏王は常々嘆いておられました『もし周郎がいたならば、劉備と関羽を強大にさせはしなかったであろう』と……」
おっちゃん、周郎呼びか?
なれなれしいの(笑)それだけアイドルだったということ?
そして、圧巻の曹操の死の直前で回顧される周瑜。
その命の儚さと強さが印象に残ったのかな。
「あの時、周公瑾はやっと三十四歳、我が生涯の強敵であろうと思った、しかし、図らずもわしより先に亡くなった、天意は諮りがたい、寿命の無常なることか、この数年多くの敵や友が一人一人去っていった。劉備、孔明、孫権、陸遜、斯様な敵をお前(司馬懿)と子桓に残していく……」
孔明だけ字?中華圏でも孔明の方が通りがいいのかな。
しっかし、曹操様は周公瑾は、って礼儀正しいですね❤周瑜も一応曹公って呼ぶんですけど。
ジェントルマンふたり。
司馬懿の物語であり、群像劇だけど曹丕の物語でもあるなと再確認しました。
後継争いから、王、皇帝へ、しかし権力の確立にはかなり苦労している様子。
様々な屈辱を味わって得たものは?
かつて支えてくれた曹、夏侯一族との乖離。
再び後継の混乱。
曹丕好きはドラマ見た方がいいよ。
さて、もっと分厚い三巻が待ってるぞ❤