臨時 一日一策瑜
世説新語を自力で訳して、カクヨムで提供してくださっている奇特なお方がいます。ありがたいことです。解説がまた面白い。
孫策1
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884883338/episodes/1177354054885237508#end
孫策2
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884883338/episodes/1177354054885237563
エピソードが二つのっています。
後の方のエピソードが気になったので、ちょっと。殷仲文という人が田舎の太守に任命されて、赴任してきたところ、富陽(富春)にさしかかり、その地形を見て慨嘆する。
「山川の様子から察するに、きっとこの辺りから孫策の再来が現れることだろうな!」
孫策が産まれたのは富春ではないはず。
孫堅が句章、塩瀆、盱眙、下邳と江淮で丞をしていた間である。
Why富春?
中国の墓地の風水を重んじる伝統からだろうか。
実際の生地よりも本貫。先祖が眠る墓地があるところが影響する。という考え方。
もう一つは、富春近くの孫策と劉繇との戦いに想いを馳せて、打倒劉氏の志を燃やした。という考え方。
後者で読む方が面白いですね。
世説新語はオチないような文もありますが、読み手の知識量がないと全然楽しめなかったりするので、作者さまの解説は楽しいし、ありがたいのですよ。
富陽は晋の簡文帝の生母の諱を避けるために富春から変わったそうです。
現在は桃源も観光地であるようですが、当時は山と川も近くには海も自然豊かな地域で、インスピレーションがわいたのかもしれませんね。
井波律子先生訳もおすすめ。