策瑜で三国志ブログ

一日一策瑜 再録しました。三国志、主に呉、孫策、周瑜について語ってます。基本妄想。小ネタを提供して策瑜創作してくれる人が増えたらいいな。

更漏~普及させた委員会♡その四


一章だけ紹介
廿四味凉茶先生 《更漏乍天似水》より

彼が意識を失い、両脚もくったりと力が抜けた時、孫権は素早く彼の腕を支えた。
「公瑾、気をつけて」
孫権は彼の後頭部を掌で支え、ゆっくりそっと枕の上に置いた。
[掌は下になり、ぬくもりを感じた。手を引き抜く時には恋々として惜しく思えた。
彼の頸の所に青色の血管がうねうねと延びている様を見て、孫権は突然一口咬みちぎって、鮮血をどくどくと流れさせたい気持ちに駆られた。
江東周郎、風采とその名は天下に轟く、しかし彼の姿が千軍万馬の中美しく生き生きとしているのを見ると、孫権はいつもある種の衝動を覚えた。彼を傷つけたい。彼をたたき潰したい。彼の苦しむのが見たい。
「公瑾そなたのせいだ…いつもわたしをひどく辛くさせる」
孫権は手を彼の腰上に置き、少し止まっていた。続けて彼の黒い帯を解いて、手早く腕を頭の上で縛り付けた。

周瑜が目覚めたとき、彼は動悸と身体の熱さを感じた。頭がぼんやりとして目がかすみ耳も虚ろだったが、却って異常は自覚できた。
「主公これは…?」
孫権の目はぼんやりとしていた。
「公瑾、さっき最後の杯の酒の中にわたしが薬を盛った」
周瑜はひどく驚きながら彼を見つめた。話す言葉も出てこない程に。
「公瑾は子どもではないから、どんな薬かわからない訳ではあるまい」
孫権は彼に近づいて、一種蠱惑的な話し方で彼の耳にそっと囁いた
「だから、なんでもない。そなたの罪では無い、そなたの罪では無い。さぁ公瑾」

周瑜は衝動を無理に抑えながら言った。
「どうしてこのようなでたらめを!」
孫権は聞こえないかのように、その手を周瑜の身体の輪郭に沿わせて骨盤まで撫でた。
まろやかで艶のある関節をそっとくりかえし撫で回し、手を離して手の甲で彼の胸を繰り返し擦った。喉もとまで触れ、親指でを喉仏を摩擦しながら、孫権は顔を俯けた。
唇を周瑜の額に押し付け、薄い空気の層に隔てられた。あたかも彼の顔に口づけるかのようにして、突然舌先を出して彼の顔をほんの少し舐めた。
周瑜の身体のは不意に震え、まるで脳内で轟然と崩壊の音を聞いたようだった。
その一瞬彼は必死でもがき抜け出そうとして、額には血管が浮き出て、冷や汗でしとどに濡れた。
灯火は揺れ動き、部屋の中の陰をいよいよ曖昧にぼんやりと映した。
孫権はごく近くで彼を見つめた。天真爛漫な笑みも露わにして、またちょっと舐めて舌先を彼の輪郭から唇上に移動させた。
そっと囁く、
「しっ…公瑾、動かないで、動かない」
彼の唇上には皺があり、やや後にはなんとも柔らかく、孫権を喜ばせた。
彼の唇がだんだん湿り気を帯び潤ってくると、孫権は舐めとり、上下の歯を使って痛めつけた、彼の苦しむ顔を見たい、不意に心中で蠢くものがあり、力いっぱい噛んだ。
「公瑾、公瑾」
彼は口ごもりながら、周瑜の上唇、下唇と口づけた。
「やめろ!」
周瑜は力いっぱい帳を引っ張ったが、すぐに滑り外れた。
「主公、仲謀、軽挙妄動はだめだ……」
孫権はうっとりと眺めていたが、突然立ち上がり、彼の身体に乗り上げ、情欲を抑えて言った
「声を出すな」
しかし、すぐにまた身体を傾けて、口調を甘えたものに変えて言う、
「いい子だ公瑾、もう一度呼んでくれ。もう一度呼んだら縛っている帯を解くから」
「仲謀……」
孫権は彼の下あごに沿って舐め、心臓に至ると甘噛みした。おざなりに言った
「もっとだ、公瑾」
何が?
周瑜は理性が失われて、でたらめに
「権児、やめて……」
孫権はほとんど予想だにしていなかった彼の一声で、周瑜の身体の上で覆い被さりながら驚き、身中で一粒の火花が爆発したのを、感じた。下半身から頭まで火は燃え上がり、焼き尽くした。彼は
周瑜の身体を荒々しく撫で回した。
「公瑾、公瑾、好きだ好きだ、私はずっとあなたを、想っていた…」
彼は手で自分勝手に恥知らずな行為をしながら、口先では纏わり付くような甘ったるさでしゃべり続けていた。
まるで愛に目覚めた初恋の少年のように。
心配して不安げに愛する人の名前を呼び、優しく慎み深い、恋人を驚かせるのをただ恐れるかのように。

「そなたが好きだ、公瑾、私はそなたが好きだ、ずっと前からそなたが好きで、遭ったときから…覚えているか?
あの年そなたが我が家へ来たとき、初めてあったのは私だった……あの時から私は……」
「あっ」
周瑜の身体は突然瀕死の魚のようだったのが、刀を振り下ろすとビクッとまな板の上で跳ねた。
「気持ちいいか?」
孫権の手はやや緩められ、彼の足の間をさまよった。びっしょりと熱い汗に濡れた部分に触れると、言葉も機嫌の良さを露わにしていた。
「私がそなたを気持ちよくさせてあげよう」
周瑜は身震いして戦き震え、孫権の両手に弄ばれる皮膚の一部、そのわずかな部分の快感も身体のある一点には届くこと無く、その部分は気がおかしくなる程もっと、もっと、もっと!と求めていた。
この一瞬、すぐにでも打ち殺されて、身体すらも容赦なく、残酷に…と願った。
「だめだ!」周瑜は嗄れた声で叫んだ。
彼はすでになぜ拒絶しなければならないのか、誰を拒絶しているのかすらわからなかった。
孫権は動きを止めて、両手で彼の耳もとを支えもち、両手を縛られている周瑜の面と面を向かわせた、慰めを失って激しく左右に暴れ必死にもがいている……本当に人を迷わせ、耐え難い憐れみと恨みを起こさせる、
「公瑾、私が要らないのか?」
周瑜は身体の中心で一匹の獣が吠えているのを感じた。人であろうが、魔であろうが何でもいいから、早く、早く、早く、早く、早く私を……
彼は硬く歯を食いしばっていた。孫権は親指で彼の唇をなぞり彼の口をこじ開けさせると、中へ入り込み、彼の口の中をかき乱し始めた。
門外で突然侍官が上奏した。
「主公失礼します。殿外にて張長史がお目にかかりたい、と」
「わかった」
孫権は手を引き抜くと指先を濡らしている物を彼の胸元に擦り付けた。彼にぴったりとくっつくと、息を彼の耳に吹き入れた。
「公瑾、ちょっと行って戻って来る」
と言うと、上着を着て席を立った。
周瑜は驚いた。
信じられないというように頭を振り乱して彼を見た。孫権は彼の表情の中に驚きと留恋の色があるのを見て、心底むず痒く、驕ることもできず、又、戻って長々と彼の唇を吸った。
「公瑾、いそがないでくれ、少ししたら…すぐに戻って来る」


孫権が出て行った時、宮殿内の最後の燭台を持っていってしまった。
暗い夜の中、周瑜は黒い河の中を
漂っているように感じた。
分厚い黒い水が四方八方から自分の下に集まり、ぼんやりとした幻影となって、耳には寄せては返す波の音が響いた。彼はもがくのをやめた。
身体が異常に柔らかくなったのを感じた。
どれだけ時間が経ったのかわからないが、暗さと静けさの中、彼は爽やかな笑い声を聞いた。
春の終わりの光こぼれる竹林の間、青々とした竹林、竹葉の揺れ動く様子、あの人の衣服は常と変わらず、白氅(白い毛の外套)を肩に掛け、黒い馬に乗り、袖は風に吹かれて、満面の竹の葉は馬蹄の疾駆する下で音を立てた。彼は馬を止めて手綱をくくりつけた。振り返ってこちらを見て大声で笑い始めた。
伯符
伯符。

「公瑾、なぁ、公瑾」
彼は首を伸ばして、顎を周瑜の肩の上に載せた、「お前はどうして孫郎の驍勇多謀を知らないのだ?」
「瑜は猘儿(狂犬)がうるさくてやっかいだとだけ聞いております」
「おっ、我が公瑾はさすが物知りだな!」
伯符、伯符。

「そなたが来てくれれば、なんでも叶う」
若き周公子の家は代々官僚で、大臣公卿の家で、家庭の教育は厳しく、煩わしい儀式も一糸乱れず、脚をあげて人を止める事などなかった。目に笑いを含んでからかって言った、
「将軍にお聞きします。いったいどれほど上手くいくと?」
「こうもたくさんだな
……」
孫策はためらいも無く近づき、若き周公子ほ閉じ合わさった扉の上に押し付けられた。
彼の影が覆い被さってきて周瑜の上に重なった。周瑜は両手で彼の顔を撫で、この人の眉じりも髪の毛までも全て際立って整っていて、これ以上の物は無いと思った。
伯符、私の伯符。



孫策周瑜は同じではなかった。
情欲が高まったとき彼はなんでも口にしてしまうし、
周瑜の感じるところを弄びながらでたらめに大事な恋人よとも叫ぶのです。
周瑜はほとんど下唇を咬みちぎりそうにながら、腕は孫策の腕にしがみつきました。
彼の肩にしっかり絡ませて、堕ちていくのを恐れるかのように、果てしない深淵へ。
孫策はかれの頸の後ろを引きよせてもち上げ、彼の頭を押さえつけた、彼の汗の粒は孫策の睫毛の上に滴り落ち、孫策は瞬きをして、身を起こして口づけた。孫策はいつ彼に口づけるべきかよく知り尽くしていた。
でないと、彼は頂点に登り詰めるのが難しかった。突然、周瑜は身体の五臓六腑、全身に目の前のこの人でいっぱいにされたのを感じた。
心の中で涙が溢れる様にも似ていた。
彼のふくらはぎは丸く縮まり、孫策の腰にぴったりと巻きつけられた。勢いよく上半身を起こし、背筋は丸く綺麗な一条の浅い弧を描いた。続いて、ひと波、ひと波と涌きたっていく。
「あ、あ、伯符、伯符……」


彼は孫策がこの世で彼ひとりの物であるとは考えもしなかった。
[彼の存在は彼らの生涯で無数のその他の人間に値するべきだと信じていた。
彼の結婚の日、二喬を手に入れた日、いつもそう思っていた。
うっとりとしていた間。天地は一片の紅色に変わっていた。彼の身体は血の海、赤い炎の中に浮いていた。向かいでは、裸の身体が首をもたせかけて絡み合い、極楽にじっと耽っていった。
一つの顔は孫策で、もう一つの女の顔は知っているようでもあり、知らないようでもある顔だった。
見たくない。考えたくない。こんな罪の欲情の海に浸りたくない。
正面の孫策が突然腕の中の女を放り出し、全裸で水を渡って走ってきた。
彼を腕の中に抱きこんで、満面の優しい表情で。
彼の武骨な手のひらが身体中を撫でさすり、彼は周瑜の大事な部分一つ一つに、わざと手を止め、指先で揉んでみたり、擦り上げたりした。耳殻を含み、舌先でクルリと探った。
孫策は彼が百回千回と見た笑顔を露わにした。
「公瑾、俺はここにいる」
伯符、伯符!

周瑜は最後に何を叫んだか思い出したくなかった。もしかしたら、恥知らずな事を叫んだかも知れないし、ただただ孫策の名前を呼んだだけかもしれない。しかし、彼は叫んだ。主公の寝台の上で彼の熱く火傷しそうな身体はのたうち回り、熱い汗が弓なりの腿をしたって流れ、敷布を濡らした。混乱の中、こうさえ思った、全ては薬のせいだ……潮が湧きたち攻め上がって、一瞬で溺れ死ぬ事を願った。

門が開いた。一人の影が入ってきて、簾をめくり、寝台の傍へ歩いてきた。
「公瑾、とても辛いか?」
真っ暗な中、彼は斜めに座り、声を出さずに笑った。ゆるゆると周瑜の顔の汗に貼り付いた髪なぞりとり去った。手指は吐き出される灼熱の吐息を漏らす唇を掠めた。身体を傾けて言った。
「そなたはいつも私が待っているのを邪魔する……今回は、そなたが私を待つべきだろうよ」






私の拙訳では、更漏乍天似水の凄さは伝わらないかもしれないが

孫権→💗💗💗→周瑜→❤←孫策

の関係は汲み取ってもらえただろうか?
この酬われない孫権の暴れっぷりと絶望感が凄い。兄の位牌の前で告白しちゃうんだぜ。頭オカシイよ。
周瑜の愛は永遠に孫策のもの。