策瑜で三国志ブログ

一日一策瑜 再録しました。三国志、主に呉、孫策、周瑜について語ってます。基本妄想。小ネタを提供して策瑜創作してくれる人が増えたらいいな。

2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

よぼよぼ漢語 策瑜同人 nashichin先生 『蜜月』十七

尾声 半月後、蜜月に陸遜が郵便で送った最新号の『都市』が届いた。美食コラムのページを捲ると、周瑜の落ち着いた顔から、穏やかな春風のような笑顔がこぼれた―― 青梅、幼い頃の誓い、変わらず悔いず。 光源、あたりは真っ暗でも、ついには朝日に巡り会う。…

よぼよぼ漢語 策瑜同人 nashichin先生 『蜜月』十六

比翼 下 待つことは、普通充実していて楽しい、待つことには思慕と期待が伴うからである。 待つことは、また残酷で苦しいものでもある。思慕と期待を除き、不幸と災難をもたらすからである。 孫策が留守のこの一週間、周瑜は毎晩九時に仕事を切り上げ、いつ…

よぼよぼ漢語 策瑜同人 nashichin先生 『蜜月』十五

比翼 中 「オレの帰りを待ってろよ」 周瑜の頰に乱れた幾筋かの髪を耳の後ろに掻き上げ、孫策は軽く周瑜の額に口づけた。「かわいこちゃん、週末会おうぜ」 ごく軽いドアを閉める音がして、孫策が起きたときにはすでに目覚めていた周瑜はやっと目を見開いた…

よぼよぼ漢語 策瑜同人 nashichin先生 『蜜月』十四

比翼 上 陸遜は自分がどうやって家まで帰ったのかもわからなかった。寒い夜の中、孫尚香の涙混じりの声がずっと脳内に残り続けた。あのような抑えきれない哀しみ、まるで心臓に針を刺されたかのような。そしてずっと彼に思い起こさせた。周瑜のたまにいたず…

よぼよぼ漢語 策瑜同人 nashichin先生 『蜜月』十三

感謝 下 子どもにとっては、二ヶ月の夏休みは週末と同様にあっという間に消えてしまった。四歳でまだ学校に閉じ込められることのない孫尚香は、この二日は三年生の孫権と同じように辛かった――何でもできる大兄ちゃんと小瑜児お兄ちゃんがもうすぐ家に帰って…

よぼよぼ漢語 策瑜同人 nashichin先生 『蜜月』十二

感謝 中 ひねくれた孫権とは違い、孫尚香は初めて周瑜を見たときから、うちの大兄ちゃんと同じくかっこいいこのお兄ちゃんが大好きになった。彼女の心の中では、小瑜児お兄ちゃんは大兄ちゃんみたいに変なオバケの話なんてしないけど、いつも大兄ちゃんに一…

よぼよぼ漢語 策瑜同人 nashichin先生 『蜜月』十一

感謝 上 「青梅、光源、繽紛、傾心、蝸牛」 キーボードで十文字の要旨を叩いた。陸遜はこの五つの多くはスイーツとは関係なさそうな名前をじっと見つめた。頭の中に三月の暖かな陽気のような優しい笑顔が浮かんできた。沈黙すると絵に描かれたかのような美し…

よぼよぼ漢語 策瑜同人 nashichin先生 『蜜月』十

蝸牛 下 「それじゃあオレが卒業したら、オレたちで天のはしごを見に行かないか?」 周瑜の想いをくみ取って、孫策は二歩下がって一緒に立った。「今日のところはオレたちはこの小道を天のはしごとしよう、見るとこの小道はでこぼこだ、石板でできた天のはし…

よぼよぼ漢語 策瑜同人 nashichin先生 『蜜月』九

蝸牛 上 「これは?」 昨日蜜月でもっとも新しいスタイルのイングランドローズティーを知り、今日は孫尚香に無理やり一皿のごく普通のケーキを薦められていた。陸遜はこのらせん状のスイーツを前にしてほんとうに泣くに泣けず笑うに笑えなかった。「蝸牛よ!…

よぼよぼ漢語 策瑜同人 nashichin先生 『蜜月』八

傾心 下 夏の終わり、過去には忙しくても遅くなっても空が明るくなる前には家に帰ってきていた周瑜が突然頻繁に徹夜して帰らなくなった。一人の夜、孫策は喜んでベットに横たわりオックスフォード辞典より厚みのある化学の専門書を読みふけった。たまに建物…

よぼよぼ漢語 策瑜同人 nashichin先生 『蜜月』七

傾心 上 おおよそ蜜月のスイーツのメニュー表をめくったことのある客ならみんな知っていることだが、各種コーヒー、ミルクティー、フルーツティーなどのドリンク類の最後に特別なこともなさそうな、だが非常に特殊なイングランドローズティーというセットが…

よぼよぼ漢語 策瑜同人 nashichin先生 『蜜月』六

繽紛 下 「大河は東に流れ、天の星々は北斗を讃える、ヘイヘイヘイヘイ、北斗を讃える、生死を共にする誓いに一碗の酒よ……」 朝っぱらから電話がうるさくて、周瑜は電話の「招待」の後で十八歳とその未来についての問題に関して考えざるをえなかった。「あ――…

よぼよぼ漢語 策瑜同人 nashichin先生 『蜜月』五

繽紛 上 土曜日の蜜月は、さまざまな客達が続々と訪れ、陸遜はカウンターの前に立ち、カウンターとテーブルを絶えず行き交う孫尚香、忙しくミルクティーを淹れながらケーキを作る周瑜を見て、今日は帰ろうか、それとも残って手伝おうか迷っていた。「おい――…

よぼよぼ漢語 策瑜同人 nashichin先生 『蜜月』四

光源 下 孫策との家を出てから、携帯電話、MP3と財布だけを持って周瑜は身軽だった。引っ越しする様子には見えず、まるでもう戻らないかのようにも見えなかった。 寒い冬は終わった南の地方では、夜の帳の中で伸びた枝の上に新しい緑の新芽がふくらみ、また…

よぼよぼ漢語 策瑜同人 nashichin先生 『蜜月』三

光源 上 二年間順調に企画編集者として出世した若者として、陸遜は雑誌『都市』の中で原稿は遅れないという名声を誇っていた。しかし蜜月から帰ってきて、青梅の飲みかたとその物語をだいたいは理解したものの、彼は遅々としてパソコンのワードの上では一文…

よぼよぼ漢語 策瑜同人 nashichin先生 『蜜月』ニ

青梅 「きみが今飲んでいるこの梅のお茶、口当たりがその他の梅のお茶と違うところがあるかい?」 周瑜はタバコを捻り消し、最初に語り始めたのは興味を引くためではなかった。「美味しいことを除けば、なんと言うこともないだろう?」 ありったけの言語能力…

よぼよぼ漢語 策瑜同人 nashichin先生 『蜜月』一

nashichin先生 『蜜月』 序 グルメ部の編集長の魯粛のオフィスから出てきた、二十四歳の陸遜は顔から喜びが溢れていた――『都市』という雑誌で仕事をすること二年、苦労をいとわず恨み言を言われても気にせず奮闘し第一線の辛い編集者はついに自分のテーマを…