策瑜で三国志ブログ

一日一策瑜 再録しました。三国志、主に呉、孫策、周瑜について語ってます。基本妄想。小ネタを提供して策瑜創作してくれる人が増えたらいいな。

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

よちよち漢語 鮟鱇魚?さん作 短編「犢鼻褌(トクビコン)」訳

夏の暑い六月のこと。あただしく戦車は整った。四頭立ての戦車は逸り、武具武器も積み込んだ。 初平元年(190)六月のある昼日中、舒城の人々は耳を塞ぐほどうるさくやかましいということをしっている。 周家の小公子の周瑜はいつも出かけて部曲を訓練する様子…

よちよち漢語 七十五 需要愛先生「思為双飛燕」

五十二章(未完の最終回) 長河吟 周瑜は孫権の正面で、兵の配置部署のことについて孫権と相談していた。孫権の表情はとてもまじめで聞きながら頷き、目つきも厳粛で、ときどき机を叩いて賛同を示した。体は厳然たる国の主としての覇気に包まれていた。周瑜は…

よちよち漢語 七十四 需要愛先生「思為双飛燕」

五十一章 進退 ふるまい 周瑜は最近の孫権が変わったと気づいた。朝議のときには以前より厳粛にさらにまじめになった。前のように自分に対して時々じっと見つめてきたり或いは小さな動作をするようなこともなくなった。後殿で相談をするときなどは、机の前に…

よちよち漢語 七十三 需要愛先生「思為双飛燕」

五十章 知音 都督府について、魯粛は諸葛亮を連れてきたのを後悔し始めた。周瑜は孫劉連盟には消極的な態度だったのは魯粛もわかっていたが、周瑜の積極的でない態度がここまでものだとは思ってもいなかった。平服を着たまま、上着すら着替えせずに劉備の使…

よちよち漢語 七十二 需要愛先生「思為双飛燕」

四十九章 聯劉 劉備と結ぶ 最近将軍府では驚くべき奇っ怪な事件が起こった。ずっと呉侯の信頼著しい騎都尉の周泰がなんと三ヶ月の俸給を召し上げられた。これに対して周泰本人はとても落ち着いていた。かれはとても忙しく、将軍府の内外の安全の責任を負って…

よちよち漢語 七十一 需要愛先生「思為双飛燕」

四十八章 問情 気持ちを問う「主公はまだいい足りないことがあるのですか?」 周瑜は無表情で机の所に座った。 「わしは公瑾が怒っていることをわかっている。これはもっともだ。わしは大事を誤らせる寸前だったのだからな。しかし、公瑾、あの日の江沿いで…

よちよち漢語 七十 需要愛先生「思為双飛燕」

四十七章 説客(下) 翌日の昼、将軍府の中から怒声が聞こえてきた。 「なに?!同じベッドで眠っただと?!」 報告した兵士は思わずびっくりして後ろへ下がった。この目の前の若い呉侯は彼の話を聞くなり突然激怒したのだ。めちゃくちゃ怖い! 茶碗が飛ぶ! …

よちよち漢語 六十九 需要愛先生「思為双飛燕」

四十六章 説客(中)「大都督が長江の岸辺で諸将を招いて宴会だと?さらには楽人達も揃えて興を添えるだと?」 書斎の机のところに座っていた孫権は猛然と頭を上げた。 「そんな楽しそうな話に、なぜわしは誘われないのだ?」 「オホンオホン」 魯粛がそばで二…

よちよち漢語 六十八 需要愛先生「思為双飛燕」

四十五章 説客(上) 孫権はある日の夏の風に吹かれてほろ酔い加減の午後に、あるものから北方から文人が今都督の屋敷に来ていると聞いた。 「文人?何という文人だ?」 孫権はびっくりしていた。 「公瑾に北方の旧友がいるのか?」 「聞くところによると大都…

よちよち漢語 六十七 需要愛先生「思為双飛燕」

四十四章 問計 計を問う 自分では重大な進展があったと感じて、孫権はこれからの段取りを計画することにした。しかし、この計画に思わず孫権は愕然とした。もともと自分は公瑾を長年慕い続けてきたが、今まで遥かに見えていた爽やかな風に吹かれた後ろ姿が孫…

よちよち漢語 六十六 需要愛先生「思為双飛燕」

四十三章 内殿 孫権が建業にもどってからというもの、気持ちは爽やかで、何年も朝な夕なに思っていたことをついに吐き出してすっきりしていた。さらに喜ばしいのは公瑾が拒絶しなかったこと、いやともいわなかったこと、仲謀ダメともいわなかったこと、さら…

よちよち漢語 六十五 需要愛先生「思為双飛燕」

四十二章 思為双飛燕 思う、双飛燕となりて(下) 孫権の表情は厳粛そのもので、態度もとてもまじめだった。かすかに前のめりになり、両手は膝に置かれ、目線はごくごく優しかった。 「公瑾、あなたは最初お父さんがお兄ちゃんを結婚させるのに、どれだけ挫折…