2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧
二十三章 挙賢 賢士を推挙する いささかの波瀾曲折を経たものの、呉郡の境目までやって来たとき、孫権はまったく意気阻喪もしていなかった。彼は随行の者達に言った。 『今は乱世で相争っている、それはみな仕える主のためにである』 孫権は陸家の屋敷にも事…
もともとこのお話は掲示板サイトに連載されていて、作者の需要愛先生がupすると、ファンがワイワイ感想を書く感じでした。需要愛先生の更新が遅れていたあるとき、なんと偽者が更新するという珍事が起きました。それもまた面白いので、以下訳します。偽者版 …
二十二章 雲遊 旅に出る 孫権が呉夫人に行ってきますと挨拶をした時、呉夫人は二言三言文句を言った。 「あなたはもう大きくなって、お兄ちゃんの後を追って、家では一日とて待てなくなって、外に行くことを覚えたのね」 孫権は無理に笑顔をつくってみせ、呉…
久しぶりの策瑜ネタです。三国志のなかで男性AとBの関係性に何らかの意味を見いだすのがBL的楽しみのひとつです。 また、昨今はビジュアル等の好みなどから、なんら接点もない男性AとBをくっつける拉郎配もあります。 ワタシは燃料がないと萌えない派なので…
二十一 情讖 恋占い 世間では、いつも満足できないことが多くて、思いが満たされることは少ない。たとえば半月前、孫権が朝も夜も毎日周瑜に一目会いたいと願っていたのに、その時は周瑜の影を待っても現れなかった。それが今、避けようと恐れおののいている…
二十章 射虎 虎を射る 孫権は飛ぶように家に帰ったとき、頭の中ではわーわーとなっていた。 しかし、抑揚に飛んだ感情はさっきのひどい怒りと信じられない状況とはまったく影響を及ぼしておらず、すばやく周家で起きた出来事の回想に繋がった。 先程みたい二…
十九章 情誤 情の誤り(下) *ベッドと訳しておりますが、長椅子兼ベッドみたいなものと想像してください。 翌日の夕方、孫権は呉良の家に招かれた。呉良は早々に部屋のベッドにひとつ机を用意して、客と主人が別れて両脇に座れるようにし、楽しくおしゃべり…
十八章 情誤 情の誤り(中) それから数日間、孫権は周瑜が自分に対してとても優しく付き合って相手にしてくれているのを感じた。どこにでも連れて行ってくれたし、常に親密な関係だった。たとえば、肩を抱き寄せたりしたり。孫権は満足までしてはいなかったが…
十七章 情誤(上) 情の誤り(上) 昼まるまる寝ていた孫権は本当は眠気など無く、壁に向かって縮こまっていた。頭の中では立った今の一幕が思い返され、こっそりと涙が思わずこぼれた。 あの少女はいくらかか器量よしではあったけれど、孫権からしてみれば村娘…
一時間ほどして、赤い衣の少女は部屋から走り出てきた。口では文句を言いながら、あの男の子はとってもおかしい、明らかにわたしは頑張ったし、あの子だって気持ちよくなれた。それなのにわたしのことをつかんで、周のだんな様はいつ来るのか聞いてくるばか…
十六章 初夜 次の日、昼食を済ませたあとに、周瑜は孫権一人を書房に呼んで、考える様子で告げた。 「きみはお兄ちゃんからのお手紙を読んだかい?」 「よ、読んだよ」 孫権は内心ドキリとした。周瑜はお兄ちゃんが書いてきた内容を明るみに出そうとでもいう…
部屋を出た後、周瑜は即刻、孫権につけてある家僕と侍女を呼び出し問いただした。 「わたしが数日家を離れている間に、何か大事な客に怠慢があったのではないか、あれば罰を与えねばならぬ」 と。 その二人は聞くなり驚き続けざまに手を振り否定した。 「自…
十五章 人之初 ひとの初めて 孫策は次の日には周家から出発していった。それから長いこと、孫権はお兄ちゃんに会わなかった。ただ孫策から送ってくる手紙の中から、大体のことは知ることができた。孫策が袁術の下でしばしば戦功を立て、袁術もみんなの前では…
十四章 □□ (伏せ字でわからず) 書房の中は静まり返った。孫権は戸を開けようかどうか迷っているとちょうど、宝剣が鞘に戻される音がした。続けて孫策の低く囁く声がする。 「公瑾、おまえはやろうとして決断せず、臨んで決断しないのは兵家の大いに忌むとこ…
孫策は孫権が手紙を出した四日後に現れた。 早朝、周瑜は早馬の手紙を受け取った。手紙には孫策が孫権の様子を見に来たい、とあった。 正午、周瑜が出かけようとするとき、太陽の真下で馬から降り立った孫策に出会した。 孫策は周瑜を見るなり、たちまち大い…
十三章 兄弟 孫権は周家の屋敷で最初にしたことは、荷物を整理整頓することではなく、周瑜のお母さんにご挨拶することでもなくて、屋敷の内から外から一周して回ることだった。 ここは公瑾お兄ちゃんの書房、あっちは武道の修練場、奥は中庭、公瑾お兄ちゃん…
捜神記から、雑な訳でご紹介。 「南州の人が使いで(交州?)犀の角の簪を孫権に献上しにやってきた。船は宮亭の廟(周瑜と程普が調練した場所だ!)で安全祈願をした。神は命じて『おまえさんの犀の角の簪をくれないか』役人は恐れてできなかった。突如として犀…
昨年の十月か十一月に注文して三月末に届きました。(注文から届くまで結構かかるので有名らしい。人形本体が遅くて、服や小物などパーツ類だけの注文は早く届きます)すごく雰囲気のあるお顔だちです。 わたしの小さなおサイフを空っぽにして買ってしまったの…