策瑜で三国志ブログ

一日一策瑜 再録しました。三国志、主に呉、孫策、周瑜について語ってます。基本妄想。小ネタを提供して策瑜創作してくれる人が増えたらいいな。

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

よちよち漢語 三十一 需要愛先生「思為双飛燕」

そこにきて、孫策をもっとも憂鬱に悩ませたのは、焦る毎日で手紙が届き、周瑜が舒城で結婚するという話だった。孫策は家人に命じて結婚のお祝いを用意して舒城に送らせた。 そして、ついに孫権はお兄ちゃんの幕舎に誰もいないことを発見してびっくりした。孫…

よちよち漢語 三十 需要愛先生「思為双飛燕」

十二章 附袁 袁術に付く 周瑜の付き添いがあり、孫権はまるで気楽で簡単に二張を訪問する任務を成し遂げたと話した。数日旅程を遅らせた周瑜が帰った後、孫策は自ら二張を訪ねてあいさつした。 しかし、曲阿に戻った後、孫策は明らかに悶々と憂鬱そうであっ…

よちよち漢語 二十九 需要愛先生「思為双飛燕」

張昭の屋敷は宿駅から遠くもなく、名乗って名刺を差し出すと、孫権は自分がここに来た目的、課せられた責任を思い出し、脳内でお兄ちゃんの孫策に細かく言いつけられたことを一通り回想した。 張昭は十歳の子どもが自分を訪ねてきたと聞いて、とても怪しんだ…

よちよち漢語 二十九 需要愛先生「思為双飛燕」

張昭の屋敷は宿駅から遠くもなく、名乗って名刺を差し出すと、孫権は自分がここに来た目的、課せられた責任を思い出し、脳内でお兄ちゃんの孫策に細かく言いつけられたことを一通り回想した。 張昭は十歳の子どもが自分を訪ねてきたと聞いて、とても怪しんだ…

よちよち漢語 二十八 需要愛先生「思為双飛燕」

彭城から曲阿までの距離はそれほど遠くなかった。ただし、道行きには威儀が必要だった。馬車の中に座っていくのは、早馬に笞をくれるよりは速くなかった。孫権は馬車のカーテンをめくって、頭を出した。傍で馬に騎乗している周瑜に言った。 「公瑾お兄ちゃん…

よちよち漢語 二十七 需要愛先生「思為双飛燕」

十一章 求賢 賢才を求む 孫伯符と周公瑾は同じ穴の貉だ! あの夜、孫権は悲しみと憤りを抱えながら、そう記した。どうして早くにわからなかったのか?彼は周瑜のあの立ち居振る舞いが穏やかで優雅な外面に騙されちゃっていたのだ。周瑜は彼の代わりにお兄ち…

よちよち漢語 二十六 需要愛先生「思為双飛燕」

それから数日中、ちゃんちゃんバラバラと十数人が舞い戻ってきた。 お兄ちゃんの孫策の初めての出陣はここに終わりを告げた。 周瑜は孫権の気持ちが一番落ち込んでいた時に訪ねてきた。当時、孫策は不撓不屈の精神でやりくりの難しい自分が自立して主になら…

よちよち漢語 二十五 需要愛先生「思為双飛燕」

十章 窮途 行きづまり 孫策のやることはいつも疾風迅雷の如くで、母と弟を連れて曲阿に父を埋葬した後、おじさんの呉景が引き止めたのにもかかわらず、一家の人馬を率い、蹄も停めず徐州江都に向かった。 いったん江都につき、住居を整えると、孫策はすぐに…

よちよち漢語 二十四 需要愛先生「思為双飛燕」

「大丈夫が立つ寸土もあらず、寸功もならず、今両手は空っぽ。どうして親友をもてなすことができようか?おまえが来ても、失望するだけだ。おれが立身の地を得るまで待っていろよ、それからおまえに手紙を書くよ」 周瑜は泣くに泣けず笑うに笑えなかった。 …

よちよち漢語 二十三 需要愛先生「思為双飛燕」

九章 摯友 親友 棺を運んで家に帰った時、孫策は孫権を連れて星の浮かぶ夜に入城した。 何人も騒がすこともなかった。 遠くに、孫権は喪服を着たお母さんが家の門の入口で立っているのが見えた。顔には風に吹かれて乾ききった涙跡があり、月光に照らされてい…

よちよち漢語 二十二 需要愛先生「思為双飛燕」

孫権の心の中は瞬間ドキドキが強まった。彼とお父さん、お兄ちゃんは似ておらず、彼らの意気軒昂に天下を睥睨しているのを見るとき、孫権の家の心配、彼ら一族の未来の心配が始まるのだった。 失敗と心配という言葉は現在の孫堅の頭の中に浮かび出ることはな…

よちよち漢語 二十一 需要愛先生「思為双飛燕」

八章 失怙 父を失う 孫権の父に対する心配は陽城から始まった。大軍が陽城を離れて四日後、斥候に出ていた騎兵が戻ってきて報告した。袁紹が兵を出して陽城を奪った、と。 孫堅は大いに驚き、大軍はすでに離れているとは言え、陽城は自分の治所なのに、隙に…

よちよち漢語 二十 需要愛先生「思為双飛燕」

地面には何着もの華美な錦袍が広げてあった。その衣服には雲状の細かな刺繍があり、つやがあって洒落ていた。 孫策はひとしきり迷って、一着の暗紅色の錦袍を引っ張り出して、側の親衛隊兵に渡した。 「収めておけ」 「お兄ちゃん。これはどこから来た服なの…

よちよち漢語 十九 需要愛先生 「思為双飛燕」

孫権は軍営の中で落ち着くと、すぐに孫堅の所へ行った。傍について、目にするもの耳にするもの皆全て孫堅軍が董卓を討伐するためのことだった。あるときは城攻めして退却、あるときはまた疲れた獣が抵抗を続けるように、ひたすら孫堅はずっと進むも退くも自…

よちよち漢語 十八 需要愛先生 「思為双飛燕」

七章 贈錦袍 錦袍を贈る孫権が父上に従って軍営についたとき、はじめてこんなにたくさんのあらゆる武器や勇ましい兵士や馬を見た。 小さな心は感動興奮で占められた。 「父上、これらはぼくらのものですか?」 我が子の興奮した小さな顔を見て孫堅は上を向い…

よちよち漢語 十七 需要愛先生 「思為双飛燕」

孫権は硯をつかんでまっしぐらに駈けだして、周家の大門を飛びだし、向かい側へ行き、自分の家に飛び込んだ。寝室まで駆け込むと床台へと倒れ込んだ。怒りで手足をバタつかせて、むせび泣き、全く以て面子が潰れ恥さらしになった。 ドキドキしながら周瑜の前…

よちよち漢語 十六 需要愛先生 「思為双飛燕」

孫権はこの時呉夫人がどれほど辛いか気にせず、早くに出かけたいと思い孫堅の許しを得て、すぐ部屋に戻り旅の支度を始め、衣服を包んだ。 孫権は隅っこに積まれた竹簡を眺めた。いささかこの本は重いと思うと、もって行けない。よくよく選んで、選んだお気に…

よちよち漢語 十五 需要愛先生 「思為双飛燕」

六章 奇恥大辱 大いなる屈辱 孫策が去った後、家の中は二人の女主人がとりしきり、一時客人や友人達とのつきあいもぐっと減った。屋敷の中も少なからず静かになり、孫権も落ち着いて勉強できるようになった。 が、しかし、孫権はかつて無いほど、勉強に集中…

よちよち漢語 十四 需要愛先生 「思為双飛燕」

孫策は落ち込んで一時話すこともできずに、ただ周瑜を見つめた。 長いこと憎々しげに見つめてから身を起こそうとして顔を上げたとき美しい眼の中に微かな泪の光がきらめいた。 「伯符!」 周瑜は身を起こすなり、突然聞いた。 「君は後悔しないのか?」 孫策…

よちよち漢語 十三 需要愛先生 「思為双飛燕」

孫権は呉夫人の側にしばらくいたが、さっきの川のにぎやかな様子を思い出し、我慢できずにまた飛び出していった。 先ほど通った路を通って川岸のほうへ走って行き、森林を抜けて行くと、遠くもないほどのところからよく知った声が聞こえた。 「この二日間オ…

よちよち漢語 十二 需要愛先生 「思為双飛燕」

孫策は父に従って遠征に行く二日前、彼のあちこちからの友達が見送りに来た。孫策は酒を勧めて、機嫌をよくした余り、孫権を捕まえて皆に言った。 「オレのこの弟は生まれつき人よりすぐれて弁舌さわやかだ。オレが言うことではないが、君たちの何人かはいい…

よちよち漢語 十一 需要愛先生 「思為双飛燕」

五章 辞行お兄ちゃんの孫策が旅支度をしているのをみて、孫権はうらやましくてならなかった。お兄ちゃんは、また父上について従軍するところだった。 しばらく見ていて孫権は、すばやくくるりと出て行った。外堂まで走って孫堅の懐に飛び込んだ。 「父上、ぼ…

よちよち漢語 十 需要愛先生 「思為双飛燕」

呉夫人がお説教もできず、いささかため息が思わず漏れてしまった。 「策…、この子は新婚で落ち着かせようとしているのに、どうやら間違ったわ。この何日かどこへ行ってぶらぶらしているのかしら」 「お母さん」 母のため息が聞こえ、孫権が近づいて呉夫人の…

よちよち漢語 九 需要愛先生 「思為双飛燕」

四章 大婚 お兄ちゃんの結婚 孫策の婚姻は、その実、孫堅の思いつきだった。戦場で受傷し、家で休養中に周りに随う幕僚達が口々に、 「長公子も嫁を貰う年頃ですな」 等等云ったので、孫堅は床台で寝ていたところ、ガバッと起き出し、力一杯自分の太ももを叩…

よちよち漢語 八 需要愛先生 「思為双飛燕」

孫権がまた目を開けたとき、床台の上に孫策も周瑜もいなかった。 孫権があたりを見回すと、二人が窓辺に座っているのを発見した。 周瑜は後ろ手に解けた髪を握り、髷を新しく結い直しているところだった。 孫策は何か彼の耳許に話しているのかわからないが、…

よちよち漢語 七 需要愛先生 「思為双飛燕」

数日後、孫策は周瑜の手を引いて内堂まで、つれてきて呉夫人に挨拶した。 そして、言うには、もう周瑜とは異姓兄弟の契りを結んだと、内堂で母上に正式に挨拶したいと。 周家の屋敷を借りて住んでいる呉夫人ももちろんこれを笑って許した。呉夫人に挨拶した…

よちよち漢語 六 需要愛先生 「思為双飛燕」

三 与子同榻(きみと榻を同じくす) お兄ちゃんと孫権が引っ越しの話をし始めたとき、孫権は頷いた。 数年来、苦しい生活や転々とした状況には慣れていた。 そして、今回の引っ越しは孫権にちょっと違うと思わせた。お兄ちゃんの孫策の顔に隠しきれない喜びが…

よちよち漢語 五 需要愛先生 「思為双飛燕」

家の門まで着いた時、孫権は自分の家のお兄ちゃんが竹椅子の上で寝そべって足を組み、天気は暑くもないのに手には棕櫚の葉を編んだ扇をバタバタとあおいでいた。 周瑜は孫策を見るなり孫権の手をはなした。孫権をしても見て理解できないような、責めるような…

よちよち漢語 四 需要愛先生 「思為双飛燕」

あらゆる人が皆言う。 孫策伯符は生まれつき楽観的で豁達で、年齢に似つかず大らかで豪放さがある。友人達の中で孫策のそのような豁達さは更に明らかになり、もし話してみて気が合わねば、彼に冗談の一つであしらわれる。頑固で軽薄な性格でも深く皆に愛され…

よちよち漢語 三 需要愛先生 「思為双飛燕」

二章 子寧不来 孫権はずっとお兄ちゃんと自分との差は年齢によるものだと思っていた。 しかし、年齢を重ねていくに随い、彼は発見した。お兄ちゃんができて、自分にはできないことを。 たとえば、七歳の孫権についていうなら、この眼の前にある小さな石臼を…